先ず、私の事を怪しんでいる事実が可笑しい。
私の生きている姿を見れば絶対に悪さなんて出来ない存在だと分かる筈です。戦闘能力は皆無。運動音痴。特技は料理と物書き。
特徴と言えば……人妻?
少しだけ変な事を考えてしまった事を悔やみつつ、緋村剣心もまだ私を怪しむ時もありますし、一体どうしたら信じて貰えるのかな?と悩んでしまう。
「君の黒幕説を払拭しようにもホムンクルスの私には錬金戦団と話し合えず、君も知識を狙われているため錬金戦団は除外しておこう」
「緋村や相楽の見当違いな警戒も俺が言ったところで無意味だろうし。むしろ逆に怪しまれるな」
「アタシからすると、こんなにか弱い命の相楽カッケマッが怪しまれたり警戒される方が気になるんだけど。そもそも怪しむ行為って何したの?」
「それは俺も気になるな。話せ」
四人の言葉と視線に戸惑いながら、これまでの出来事を思い出してみるものの、特に警戒されていたのは左之助さんと一緒に剣客警官隊に囲まれていたとき、ダイナマイトの製作法を軽く教えたときでしょうか。
第一、私は悪い人は怖いから関わって……あれ?
志々雄真実や鵜堂刃衛、雪代縁、外印。アメリカだとJ・J'sギャングや甲冑男爵。白面の者の分身、戦国時代の奈落、最近だと剣客兵器の方々に、才賀貞義、戦骨、腑破十分臓、牙鬼幻月(推定)等々。
わりと凶悪な方々に会っているような気がする。まさか、そんなわけないです。色々と偶然が重なっているだけで私は何も悪いことはしていないよね?
「……相楽カッケマッ?ねえ、ちょっと?景?景さん、アタシの方を向きなさい!」
「ひうっ!?」
「あ、ごめんなさい。考え込みすぎるのは良いけど、顔色が酷いことになっているわよ、寝ながらで良いからベッドに寝転びなさい」
「す、すみません、少しだけお休みします」
しとりの隣まで連れていって貰い、ススハムに促されながらベッドに横たわる。今更ながら自分がどれだけ恐ろしい場所に居るのかを再認識して、また『特典』の抑圧・制御が外れ掛けている。
「糸色君、すまないね。君の事を心配して開いた会議だと言うのに君に心労を掛けてしまった」
「……いえ、いいんです…よく考えたら、ドクトルの言っていた黒幕説の話が深まっている理由も何となく分かってしまいました…」
分かりたくはなかったけど。
私は、悪役に好かれる体質と考えるべき?
ゾワリと嫌な気持ちになりかけるものの、向こうも悪意を持って好きになっている訳じゃないのだから、いきなり否定するのは良くないと一応考えを改める。
ただし、奈落はダメです。
NTRはだけは、絶対に無いです。