某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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発明品ではない 序

撃盤を納める包具を帯に結んだしとりは嬉しそうに笑い、撃符を納めるホルダーは包具の反対側に装備し、いつでも引き抜けるようになっている。

 

「景、また何か作ったのか?」

 

「私は発明なんてしませんよ?」

 

「ダイナマイトは作ってただろう」

 

あれは知識を利用して作っているだけなので、私自身がゼロから作り上げた代物ではなく、既存する物を模倣して作っているだけですね。

 

尤も既存するという話は左之助さんも知っていますし、わりとポピュラーな採掘道具だと思います。たまに山の開拓に使うから作ってくれと頼まれますし。

 

勿論、断っていますよ?

 

最近は左之助さんに言っても怪しまれることはあるけど。それでも私が作っているわけではなく、むしろ頼まれて困っているくらいだ。

 

「じゃあ、ドクトルが持ってたアレはなんだよ」

 

「あれ?」

 

「あの身体をデカくするカンテラ」

 

カンテラ?ああ、ビッグライトのことかと一人で納得しながらドクトル・バタフライの「ひみつ道具」に捧げる情熱に少しだけ困る。

 

「あれは私じゃないです」

 

「……ウソだったら怒るぞ?」

 

「フフ、ウソは吐かないですよぉ」

 

ゆっくりと私のお腹に耳を当てて胎動を聞く左之助さんの頭を撫でながら、この子が生まれたら東京に戻って、お披露目とお祝い、あと操さん達の祝言をお祝いしないといけないですね。

 

やることが沢山あって大変です♪︎

 

「じゃあ、しとりのアレは?」

 

「撃盤は個魔の方です」

 

「出たな。個魔の方、オレには見えねえ女」

 

「もう、そんな浮気相手を見たような言い方しちゃダメですよ?それに個魔の方と将棋をしているの、私は知っているんですからね」

 

私の言葉にムスッと子供のように拗ねる左之助さんの頭を撫でていると、トタトタと廊下を走る軽やかな足音と共にしとりが病室に入ってきた。

 

「ん!そこしとりのばしょ!」

 

「今は父ちゃんの場所だ」

 

「ん!んーっ!」

 

ペチペチと左之助さんの背中を叩いて可愛らしく怒っているしとりと、彼女に背中を叩かれているのに嬉しそうに笑う左之助さんの二人にクスクスと笑ってしまう。

 

二人は本当に仲良しで可愛いです。

 

「しとり、此方においで」

 

ポンポンとベッドの反対側を叩いて来るように伝えると嬉しそうに笑い、椅子を使ってベッドに登り、私の隣に座り、布団の中に潜り込んでくる。

 

「……オレも一緒に入りてえ」

 

「左之助さんは大きいからダメです」

 

「むふぅー!」

 

フンスと胸を張って左之助さんに自慢するしとりの頭を撫でながら左之助さんの事も撫でる。みんな、仲良くてとても嬉しいです。

 

 

 

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