某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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ドクトルの策略 破

やはり、ドクトル・バタフライに違和感を感じてしまう。いつも飄々と立ち回っている彼が、最近は動きも鈍く、怪我を負っていることがある。

 

「ねえ、ドクトル。私達は信用できませんか?」

 

「何を言っているのかは分からないけれど。私は君達の事は信用も信頼もしているさ。ただ、ちょっと大切すぎて困っているけどね」

 

ひゅーっ、ひゅーっ、と息が掠れている。

 

「ゾナハ病を患ってしまったのね?」

 

「……フッ、やはり糸色君にはバレてしまうね。去年の暮れの出来事だ。君と左之助君を探す自動人形(オートマータ)に遭遇し、退ける事は容易かった。だが、あの人形は身体の内側にゾナハ病の塊を隠していた」

 

そう言って汗で湿った前髪を掬うように掻き上げるドクトル・バタフライの顔色は悪く、こうして話しているのも辛そうだ。

 

「フフ、あははははははっ。ドクトルったら、そんな簡単に自動人形(オートマータ)の罠に掛かっちゃうなんて可笑しすぎます。フフ、フフフフ…!」

 

「いやはや、手厳しい指摘だね。だが、この蝶・大天才たる蝶野刺爵、ドクトル・バタフライが高々二百年程度の知恵に負けると思うかね!」

 

「まさか…!」

 

「此方には二十二世紀の知識があるのだ!」

 

ドクトル・バタフライは自信満々にカプセル剤を取り出して、それを飲み込んだ次の瞬間、彼の口から銀色の液体が吐き出され、瞬時に銀色の液体は拡がることもなく溶けて消えてしまった。

 

「万病薬。全く、作るのに六ヶ月も費やしてしまったが完璧に完全に完治したよ」

 

「……私、たまに思うんですけど。ドクトルだったらラスボスも一人だけで倒せそうですよね。いえ、悪口で言っている訳じゃないですよ?」

 

ドラえもんに登場する「どんな病気も治すことの出来る万能薬」というひみつ道具「万病薬」。私の時に使っていなかった理由は分かります。

 

サンピタラカムイの加護も彼の施してくれた抑圧・制御の効果も消えてしまうんですね。本当に万病に効く薬ならドクトル・バタフライが最初に作るよう、絶対に私に言いますからね。

 

そういうところを一番私は信頼しています。

 

「しかし、ゾナハ病が君やしとり君に掛からなかったのは不思議だ。糸色君、また君の事を少し調べさせて貰ってもいいかね?」

 

「それは、構いませんけど」

 

そもそもゾナハ病のミクロサイズの自動人形(オートマータ)の存在を私は今まで知らなかったんですが、それは後回しにするのかしら。

 

そう考え込みながら注射器を取り出すドクトル・バタフライにビクリと身体を震わせる。えっ、まさか血を抜くんですか?

 

 

 

 

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