ドクトル・バタフライ考案の『変身セット』に関して原則を設ける事になり、ススハムや不破信二など発明に興味の無い二人にも提案をお願いする事になったものの、ススハム以外はダメですね。
「不破さんの『強いヤツが出てくるやつ』はそもそも世界を拡げてしまう可能性もあるので却下です。そんなに強い人に会いたいなら南蛮ミラーで未来に行けば良いんじゃないですか?」
「それもありだなあ」
「ドクトルも『機動戦士』だけでゴリ押しするのは止めましょう。あと『強化服』と書けば許されると思っていませんか?」
「ムッ。それもダメかね?」
「ダメです」
ダメな事はハッキリと伝える。そうしないと悪ふざけのように自分の趣味を注ぎ込んで、私の子供達が大変な目に遭うかも知れない。
尤もススハムのように『栄養価のあるもの』や『ご飯が増えるやつ』とアイヌらしく食事に関する事を書いてくれるのは良いことです。
「(いつもみたいに左之助さんにも相談したいけど。どうにもドクトルは転生者という事実を隠そうとしているし、ススハムさんも私も同じく教えていない)」
「どうして、二人は強いロボットに拘るんですか?」
「「浪漫は良いものだぞ」」
「馬鹿しかいないわね」
確かに一途すぎるのは馬鹿ですけど。
「ねえ、ロボット作るにしても場所は?」
「no Problem。鏡面世界を使う」
「はあ、どうやって出すつもりよ」
そう言われてようやく理解してくれたのか。ドクトル・バタフライは「小型サイズの物をビッグライトで仕上げればいいというわけだな!」と、作ることを諦めるのではなく最適解を導き出してしまいました。
この人は本当に賢すぎるので大変だ。
ゆっくりとお腹を支えてベッドの上を移動し、急須で湯呑みにお茶を入れて飲む。あまりお友達を悪く言いたくないんですが、お二人はたまに馬鹿です。
「ふう」
「相楽カッケマッ、お腹が冷えるから布団か毛布を羽織りなさい」
「ありがとうございます」
「ドクトルと信二もこの子の体調を考えないならマジで蹴り殺すわよ」
「ススハムと殺れるのか!」
「ホムンクルスを殺しかねない蹴りは流石にね」
ヒラヒラと手を上げて降参するドクトル・バタフライと対照的にススハムにズカズカと近づき、迫る不破信二の戦闘意欲に呆れていたその時、ドン!と不破信二は両手バージョンの壁ドンをススハムにしていた。
「アタシは人妻だ、バカ!!」
「わあ、すごい超至近距離高速ソバット」
不破信二の反応速度を上回る蹴りに驚くべきなのに、私はそちらに驚いてしまった。