左之助さんを怒らせてしまい、許して貰おうと頑張った結果は一日中ずっと抱き締めることで許して貰えたけれど。まさかお風呂まで着いてこようとするなんて予想外すぎて、流石にちょっと引いてしまった。
まあ、愛の重さにドキドキしますけど。
あの重さに比例して生きていると実感できるようになったら私も立派なメンヘラの仲間入りだと思う。ただ、しとりが心配するので喧嘩はもうしません。
「景、だめか?」
「ダメです。左之助さんはただでさえ身体が大きいのに三人で一緒に寝たら、左之助さんにしとりも私もぺちゃんこにされちゃいます」
「ん!父ちゃんおっきぃー!」
「くっ。なんでオレは大柄なんだ」
私としては背丈の高い人は羨ましいです。
もう150cm以上に伸びる気配の無い私は三歳なのに物凄く元気溌剌なしとりにいつ背丈を抜かれるのかと不安ばかりです。それに、しとりもいずれは左之助さんに似て大きくなるでしょうし。
そうなったら、とても大変ですね。
「しとりは父ちゃんと寝るのイヤか?」
「すき!」
「なら」
「でも母ちゃんのほーがすき!」
「フフ、ありがとう。嬉しいです♪︎左之助さん、川の字は無理ですけど、お布団をくっ付けるのなら大丈夫ですから、ね?」
「……おう」
しとりに私の方が好きと言われたことがショックだったのか。左之助さんはものすごく悲しそうにしとりの事を見詰めているけど。
しとり本人は左右に私と左之助さんがいることに嬉しそうに笑っています。やっぱり川の字で寝るのは嬉しいんですね。
……正直、この時間は不安です。
左之助さんは私の身体の事を労ってくれるものの、どうにも私は眠ると無音になってしまうらしく何度か起こされたことがあります。
まあ、寝相もまた十人十色ですからね。
「左之助さん、しとり、お休みなさい」
「ん!おやすみなしゃい!」
「嗚呼、おやすみ」
カチリと左之助さんが部屋の電気を消して、うっすらと窓から覗く月明かりを頼りに布団に潜り込む音を聞きつつ、目を瞑っていると右手を掴まれた。
小さいのでしとりですね。
やっぱり、まだ小さいから布団を分けるのは早かったでしょうか。せめて五歳まで待ってあげたほうが良かったかも知れませんね。
明日は、また一緒に寝よう。
「しとり、寂しいなら父ちゃんとこくるか?」
「んーん、きょーはひとり!」
……フフ、お姉ちゃんになるからカッコいいところを見せてあげたいんですね。しとりはとても優しくて素敵なお姉ちゃんになれますよ。
流石は私達の娘です。