某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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極めるとは 破

オレは力強く床を蹴った勢いを乗せ、斬馬刀を横薙ぎに振るい、安慈の身体を分厚く硬い斬馬刀の潰れた刃筋で圧し斬っ───否、安慈は水平に薙いでいた斬馬刀を膝と肘を斬馬刀の鎬に叩きつけ、挟み込み、救世のために鍛え上げた剛力を以て斬撃を受け止めていた。

 

「おおぉおぉぉっ!!!」

 

「ぐっ、らあっ!!」

 

「怒うぅんッ!」

 

刹那、オレの斬馬刀の刀身に向かって肘と膝による二重の極みの衝撃が走り、刀身が砂鉄のように砕ける最中、オレは更に一歩踏み込み、斬馬刀の超重量を支える鉄芯の柄を振り抜き、安慈の身体を弾き飛ばす。

 

だが、安慈は鉄芯の一撃を受けて尚も怯むことなく正拳による二重の極みを繰り出してきた。咄嗟に斬馬刀の柄を構えるが、分厚く重厚な巨拳は鉄芯をひしゃげさせ、オレの胴に痛烈な衝撃が弾ける。

 

「以前も言ったが、極めるとはこういう事だ」

 

「がはあッ…!?」

 

オレは血反吐を吐き、床に片膝を突いて胴を押さえる。肋は折れてねえが、受け止めるために踏ん張った分、オレの身体に安慈の「二重の極み」の衝撃が流れ込んで来やがったんだ。

 

クソ、間合いを見誤ったぜ。

 

ゆっくりと口許の血糊を袖で拭い、とうとう砕け散った長年の相棒に別れの視線を贈る。 

 

ありがとうよ、相棒。剣心、般若、蒼紫、ちいとばかし、いや、かなり癪だが観柳の回転式機関砲の時もお前のおかげで助かった。

 

こっからはオレ自身で戦っていく。

 

「行くぜ、安慈…!」

 

「何度来ようと無駄な事だ」

 

「おらあっ!!!」

 

再び二重の極みを正拳で繰り出してきた安慈の間合いの外に跳び、筋肉の鎧に包まれたヤツの脇腹に向かって二重の極みを放つ。

 

「残念だが、私には通じん」

 

しかし、オレの二重の極みを放った脇腹の裏側、安慈は自分の身体に二重の極みを打ち込み、オレの衝撃を相殺しやがったのか!?

 

「これで分かっただろう。もう諦めろ」

 

「ソイツは聞けねえ話だなァ!!」

 

「なに゛がフッ!?…まさか右だけではなく…」

 

さっきのオレと同じように血反吐を吐き、鑪を踏んで後ろに後退る安慈を見据える。

 

「アンタに教わった『二重の極み』は極めたって言うには程遠いが、此方も譲れねえモンがあんだよ!この両の拳と『悪一文字』に懸けて、テメェ等の計画をオレが粉々に打ち砕く!!」

 

「驕るな、小僧ォ!!」

 

「驕りじゃねえ!コイツはオレの大事なモンを守るために固めた覚悟だ!!」

 

「それを驕りと言うのだッ……!!」

 

安慈とオレは二重の極みを左右の連打として繰り出し、お互いの身体を突き抜ける衝撃に血反吐を吐き、ふらつく身体に力を込め、踏ん張り、お互いを殴り返し、オレはオレの意地を貫き通す。

 

 

 

 

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