「やあ、集まったね」
にこやかに笑うドクトル・バタフライの言葉に私達は戸惑いつつ、彼の背後のホワイトボードに記された『スーパー戦隊と転生者』という文字にを見る。
しかし、それよりも気になるのはススハムだ。
とても可愛く幼児化している。撫でてあげたいし、抱っこもしてあげたいです。でも、本来の彼女は私より年上のお姉さんなので怒るでしょうね。
ソワソワとする私に気付いたのか。ススハムはイヤそうに顔をしかめながら不破信二の脇腹を蹴り、無理やり四つん這いにさせるとその背中に座った。
一応、結婚する予定のある人ですよ?
「コホン。ご存知の通り、私達の世界は『スーパー戦隊』の一部と繋がっている。そして、糸色君は『侍戦隊シンケンジャー』に登場するモヂカラを使え、虎徹君はシンケンジャー側の転生者だ」
「ヴァカめ!俺は外道衆側に着いてアヤカシ連中を仏陀斬りたいだけだ。そして、あわよくばアヤカシの武器を作る方法を知りたい」
「まあ、こういうタイプの転生者だね」
「どうせ明治時代か大正時代にはアタシ達は寿命で亡くなっているわよ。まあ、ドクトルはホムンクルスだから関係ないでしょうけど」
「ススハムさん、その言い方は流石に…」
思わず、注意しようとした私の目の前を縦一文字に何かが通り抜け、眼鏡のブリッジが真っ二つに割れて正座していた太股に落ちる。
───違う。
今のは蹴り、ススハムは私を蹴ったんだ。
「アンタ、また変なの連れてるわね」
「へ?」
「へじゃないわよ、ほら」
そう言って彼女の指差す天井を見ると小さな何かが天井にぶつかり、薄く銀色に光るものを垂らしているのがボヤける視界越しに見えた。
「流石はススハム君、今のは糸色君の体内に入り込もうとしていたゾナハ病の病原菌。ゾナハ虫とも言われるアポリオンの群れだ。糸色君、スペアの眼鏡を」
「ありがとうございます」
ドクトル・バタフライに差し出された眼鏡を受け取り、天井を見上げると夥しい数の虫が天井に体液を撒き散らして死滅していた。
「ちなみに信二君はゾナハ病に掛かっていたけど。シバリングによって全神経・全筋肉を総動員して熱殺蜂球のごとくゾナハ虫を倒していた」
「化け物ですか貴方」
「不破四百年の歴史に敗北の二字は無い。俺を倒したかったら核ミサイルでも宇宙破壊爆弾でも持ってくれば良いと伝えとけ」
「私としては信二君の肉体スペックの高さを量産してみたいのだが、些か強すぎる肉体と精神のスペックに機械が追い付かなくてね。試しに使ったらコピーロボットが壊れてしまったよ。HAHAHAHAHAHAHA!!」
やっぱり、この人だけおかしいのでは?