某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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極めるとは 急

オレの二重の極みを二十数回は受けているのに尚も安慈は立ち上がり、オレの二重の極みより重い破壊力、衝撃に何度も吹き飛ばされ、鑪を踏んで踏み止まる度、オレも安慈も血反吐を吐く。

 

「……ハアッ…ハアッ…!…」

 

「…ゴブッ…クァッ…!…」

 

おそらく、こいつが最後の一撃になる。

 

そう確信めいたものを右拳に込め、安慈もオレと同じく右拳を振りかぶるように振り抜き、オレの顔面に二重の極みの衝撃が突き抜ける。

 

しかし、僅かに血みどろになっていた額を打った安慈の拳は滑り、二重の極みは不発に終わった。コイツでオレの二重の極みも最後の一発だ。

 

「うおぉおおぉっ!!!」

 

安慈の大きく分厚く鍛え上げられた胴にオレの拳がぶつかり、二重の極みが完全に決まり、今度こそ安慈は気を失ってくれた。

 

慌ただしく階段を駆け降りてくる剣心に片手を上げ、なんとか十本刀のひとりは倒したと伝えようとした瞬間、オレは床に倒れ伏した。

 

「……ゲホッ…ゴブッ!?…」

 

「左之!」

 

「阿呆が。防御を怠るからだ」

 

「相楽、下手に動かなくていい。あれほど二重の極みを受け続けたのだ。砕けた骨が内臓に達している可能性があるかも知れん」

 

蒼紫の野郎は怖いことを言っているが、自分の身体の事は自分がよく知っている。内臓に骨は刺さってない、なにより骨は骨折したところと皹が入ったところがあるだけで砕けちゃいない。

 

「死ぬな左之ッ、祝言を挙げるのでござろう!」

 

「……テメェ等、わざとか?」

 

余りにも長く続く励ましの言葉に、だんだんと冗談だと理解してきたオレは上半身を起こし、胡座を掻いて身体中を駆け巡る痛みを堪えつつ、未だに気を失っている安慈に視線を向ける。

 

剣心の肩を借りてに立ち上がり、ひしゃげた斬馬刀の柄を杖代わりにしてふらつく身体を固定し、なんとか倒れることを拒む。

 

「次、会うときに決着を付けようぜ。オレもアンタも背負うもんが多い、その時は気兼ねなくアンタの溜め込んでいた想いを聞かせてくれよ」

 

そう言ってオレは剣心達と一緒に次の部屋へと向かって歩き出す。もっと急がねえと、また景のヤツを誘拐しようとするヤツが現れるかも知れないからな。

 

「和尚を倒したのも驚くけど。よく生きてるわね、貴方。何か秘訣とかあるのかしら?」

 

「健康の秘訣か?そんなもん美味い飯を食って、良い女に愛されることだな」

 

「阿呆が」

 

「拙者と戦ったときも言っていたでござるな」

 

剣心の呆れた顔や斎藤の溜め息を無視して、真剣な顔付きでオレの言葉を試そうかと思案する蒼紫の生真面目すぎる性格に少し親しみを感じる。

 

なんか景に似てるんだよな、そういうところが。

 

 

 

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