私は外道衆に認知されるようなことをしただろうかと考えて、直ぐに秘伝ディスクの製作に携わっていた事を思い出してしまい、自分の迂闊さに頭を押さえる。
いつも慎重に生きているのに、ここ一年半ほど安心して昔みたいに世界を怖がっていた気持ちも薄れているからか。危機感が無くなり掛けている。
「糸色君、少し良いだろうか」
「……何ですか?少し悩んでいるんですけど」
「うむ、君の子孫も正式に『侍戦隊シンケンジャー』に加入する事も決まったからね。私の方でバトルスーツをデザインしてみたんだ」
そう言うとドクトル・バタフライはデザイン案を描いた紙を差し出してきて、私は数枚のデザイン案を見つめる。しかし、どれもこれも蝶モチーフだった。
あの、私と左之助さんの子供なんですが?
「シンケンバタフライとかシンケンパピヨンとか名付けようと思うのだが、どうだろうか?是非とも糸色君の意見も聴いておきたいんだ」
「ドクトル、却下です!」
「馬鹿なッ、蝶・ハイセンスな見た目だろう!?」
ドクトル・バタフライの差し出すデザインは確かに従来のシンケンジャーを模倣していますけど。シンケンジャーは個々の属性をあしらった文字を顔に纏う。
その顔の文字に『蝶』は有り得ない。
「せめて、もう少し画数の事を考えて下さい」
「……そうか。確かに変身に手間取ってしまう」
よくある二次創作だと、そうですね。
「月や花なんて言うのもありますよね」
「ふむ、月だとムーンフェイスか」
「それは貴方の息子のお友達ですよね?」
「LXEはもう存在するが?」
……ああ、そうでしたね。
何故か私の名前も入っている。
そして、なぜかNO.2の永久欠番なんていうものまで貰ってしまっている。私は極々平凡な愛する家族のために延命を続けているか弱い人妻のはずなんですが、どうして私ばかり狙われるのだろう?
「糸色君、そう言えば気になっていたのだが左之助君は私たちが一緒に居ることを咎めたり嫌がったりする事は無いのは何故だい?」
「何故って、ドクトルは私のお友達ですよ?」
「ムッ。そういう話ではないのだが……まあ、家族公認且つ家族交流も度々行っているし、実質私達も親戚と変わらないのかも知れないね」
「親戚なら糸偏に改名します?」
「いとへん?」
「はい。糸を色付けると書いて、
多分、賛さんがパピヨンと一緒に居たのも分家の影響を受けているのかも知れませんね。彼らにとって霊能大家の糸色家は目の上のたんこぶですから。