いそいそとホワイトボードを動かすドクトル・バタフライスはスハム、不破信二、幻想虎徹など日本在住の転生者達をまたしても集めてきた彼を見上げる。
また、何かをするつもりなのかしら?
「さて、みんなを集めるのは今年で何度目か」
「四十七回目ですよ。その内の二十四回はドクトルの作ったひみつ道具の実験と安全性の検証でした。まあ、不破さんにショックガンも電光丸も効かないのは未だにおかしいと思いますけど」
「俺は不破だぞ、機械ごときに負けるか」
「シバリングで奇病を殺すヤツが言うと怖いわね。アタシ、たまにアンタが人間なのか本当に心配になってきたんだけど。どうしたらいいわけ?」
「ヴァカめ!何度も言っているだろう、ソイツはもう外道に堕ち掛けているんだ」
そう言って不破信二のひみつ道具を受け付けない体質について話し始める全員の事を眺めつつ、のんびりと湯呑みの中に浮かぶ茶柱に視線を移す。
最近は大変な事ばかりでしたからお休みしたいです。昨晩もイヤだと言っているのに……コホン、これは話すような事じゃなかったですね。
「まあ、話は置いておこう」
「ドクトル、またひみつ道具か?」
「いや、イギリスで仕立て屋を営む友人に
「え?」
「スマイルは綺麗ではあるね」
思わず、とんでもない事を言ってきたドクトル・バタフライの事を困惑気味に見上げ、そうっと自分の心臓を押さえてみるものの、何も感じない。
そもそも手術した当人はドクトル・バタフライなのだから私の身体に『柔らかい石』が入っていない事は分かりきっているでしょう。
私の中に『柔らかい石』は入っていないし、今はまだアンジェリーナの身体の中にあるはずです。もうすぐ現れることになるだろうけど。
まだ、時期的に早いです。
「で、倒し方は?」
「糸色君」
「身体を粉々に砕くか、疑似体液…
「沸騰?」
「発勁。不破さんだと無空波ですね」
「ああ、アレをすればいいのか」
私の説明に不破信二は納得し、まだ幼児化したまま戻っていないススハムは「アタシなら何をすればいいわけ?」と問い掛けてきた。
「最速でキックすればOKです!」
「シンプルで分かりやすいわね」
そう言って笑ったススハムにほうっと安堵したところで私だけ対抗する手段を持っていない事実に気づき、どうしようかと悩ましげに唸ってしまう。