某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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真実なりや 序

ドクトル・バタフライ達に知り得てしまった情報を伝えて数日ほど経過した頃、私は緩やかに風に靡く灰色の壁を見つけてしまった。

 

いえ、正確に違う。

 

私が一人になるタイミングを見計らって、こうやって出入り口を用意したのだろう。神様も悪い人もいい人もどうして私に執着するのだろうか。

 

ゆっくりと灰色の壁───オーロラカーテンを潜り抜けると壮大且つ豪勢に装飾を施した大広間の様な世界に戸惑い、周囲に潜んでいる怖い気配に身体が震える。

 

「初めまして、それとも久しぶりか」

 

カツン、カツン、とブーツの底を鳴らして歩く左之助さんやドクトル・バタフライより背の高い男が階段を降りてくるのが見えた。

 

逃げるためのオーロラカーテンはあるものの、これは彼の作り出したものであり、別の世界に繋がっているのかも知れない。

 

「糸色景、やはりお前はオレの最大の敵だ。お前を調べるために(・・・・・・・・・・)お前の登場する世界に道を繋げ、(・・・・・・・・・・・・・・・)少し意識を弄った転生者(・・・・・・・・・・・)をぶつけたりもしたが、お前を守るために他のヤツも動き出した」

 

……一体、何を言っているのだろう?

 

「立ち話もなんだ。座れ」

 

「普通の椅子ですよね?」

 

「当たり前だ」

 

そう言うと顔の見えない彼は私の対面に座り、真向かいで向き合うことになる。輪郭は見えず、怪人というわけでもホムンクルスや妖怪でもない。

 

「お前の考えは大体分かるぞ。オレの選んだ『特典』、お前に拘る理由、そしてオレの目的、この三つを知りたくて仕方ない」

 

「……えぇ、その通りです」

 

「大体分かるぞ」と、彼は確かに呟いた。

 

私の予想していた最悪の展開だ。この人は『ラスボスになりたい』という欲望を叶えるために、おそらく彼が門矢士の記憶喪失の原因に成り、彼のライダーとしての力を一部奪っている。

 

「仮面ライダーダークディケイド。貴方は『ラスボス』という存在になるために世界すら破壊する存在になったんですか?」

 

糸色威(いとしき たける)もそうだったが、流石の理解力だ」

 

いとしきたける?と首を傾げる私に笑みを浮かべて左手の袖を指差す彼を訝しみつつ、ゆっくりと袖の中に手を入れるとあるものが指先に触れる。

 

ショドウフォン。

 

……成る程、糸色威は同じ読みですものね。

 

「先んじて巡ってきた。糸色景、お前はどの世界にも存在し、どの世界にも歩いていける。オレのオーロラカーテンは『ライダーの世界』を歩くだけだが、お前の力を奪ったらどうなると思う?」

 

「世界は無限大に繋がるでしょうね。そして、最も厄介なドクトル・バタフライの動きを一時的に封じ込める事も可能になります」

 

「流石だ、一を出せば百で理解する」

 

別に貴方を理解したいわけじゃないです。

 

 

 

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