数日前の出会いは意図的に仕組んだ事なのでしょうが、私の意識と繋がっているわけではない。でも、楯敷ツカサは私の行動を詳しく知っている。
本当に不思議な転生者だと思う。私の血筋は色々と大変な出来事に足を踏み入れ、これからも歩んで行くことになるのだろうけど。
リ・イマジネーションの世界を巡り歩く対極の二人は手に入れる力も対極でなければいけない。ダークディケイドは差し詰め、怪人の力を使える。
ダークライダーやサブライダーに関して、私は詳しい訳ではない。記憶にはあるけれど、全ての仮面ライダーの歴史を見定めるには私の身体を苦しめる『特性』の制御を外して貰わないといけない。
「左之助さん、どうしましょうか」
「どうしよう云々の前にオレはお前が男を引っ掻けてきた事実に怒りてえんだが?」
「知りません、勝手に着いてきたんです!」
そう言って私は左之助さんの背中に隠れながら家の前に立っている男の人を見つめる。『仮面ライダーディケイド』に登場する謎多き人物だけど、まさか時代も越えてくるなんて予想していなかったです。
「糸崎景、この世界もいずれ」
「いえ、糸色です。あともう相楽です」
別に文句を言うつもりはないんですが、みんな私が左之助さんの奥さんだって事を忘れているのか。それとも左之助さんの事を無視しているのか、誰も私を相楽景とは呼んでくれないんですよね。
「それは失礼した。相楽景、君もディケイドの危険性を察知している筈だ。現にツカサが君のもとを訪れたのもヤツを倒すためだ」
「つかさ?また男の名前だな」
「左之助さん、ステイです。一応、話すつもりですけど。今は彼の話を聴いていて下さい。話を聴き終えたら岩塩を渡すので全力投球してほしいんです」
「お、おう?」
「私、会ったことも話したこともない人の悪口を大袈裟に話している人って嫌いなんです。しとりとひとえの教育にも悪いので帰って下さい」
私の言葉を聴いた左之助さんが岩塩を投げつけるもオーロラカーテンによって弾かれる。流石に明治時代に於いて最強の一人である左之助さんの投げる拳大の岩塩を受けるのは怖いですからね。
「ライダーになる資格があるのに、何故だ!」
「答えはシンプルです。私は世界より家族を愛しています、世界の危機なんて家族の危機に比べたら些細な出来事ですから、そういうのはドクトルか不破さんに頼んでもらえますか?」
ピシャリと扉を閉める。
くつくつと左之助さんは笑いながら「景も怒るときは怒るんだな」と言うけれど。私は家族がなによりも私を愛してくれる大事だけです。