「……ドクトル、影響を受けすぎでは?」
「そ、そんなつもりはないが…」
少し呆れ気味に指摘するとドクトル・バタフライは自分自身の身体を見下ろす。昭和ライダーの強化装甲服の形状に変化している純白のドレスタイツに思わず、私は掛けていた眼鏡を外し、眉間を軽く揉み解す。
別に怒るつもりも否定するつもりもありませんけど。『仮面ライダーディケイド』と繋がっているということが分かって、ものすごくウキウキしていますよね。
「ちなみに信二君は変身アイテムも使えなくて拗ねてしまっているよ。まあ、パワードスーツその物が彼の力に耐えられなかったのだがね」
「やっぱり外道に堕ちた修羅なんじゃ?」
「まだ堕ちてねえよ、俺は人のまま陸奥に勝つ」
私の呟きに振り返った不破信二の手にはライダーベルトを模して作られた道具がある。しかし、プスプスと煙を出しているので本当に壊れているようです。
「くそぉ…俺の何がダメなんだ?」
「ふむ、科学を受け付けない体質かな?」
「人間をやめたんですね、やっぱり。そういえば先日の彼女とはどうなりましか?」
「ん。ああ、夫婦に成った」
「フフ、おめでとうございます♪︎不破の血筋に獣の力も加わったわけですけど、いつ頃陸奥に挑むおつもりなんですか?」
「俺がやるなら出海だろうが、糸色ん所の嬢ちゃん……しとりちゃんは奪い合いに発展するぜ。出海の息子、確実にホの字だったろう?」
そう言って小指を突き立ててピコピコと動かす不破信二の頭を草履で叩く。私の愛娘になんてことをするんですか。しとりもひとえも隣の部屋でススハムと遊んでいるのを忘れたんですか。
左之助さんにも相談していますけど。
いずれ時代的に考えると『侍戦隊シンケンジャー』と同時期に始まることでしょうし。いとしきたける。その子に任せることになるのでしょうね。
私は何かを与えることは出来ないけれど。秘伝ディスクは多く製作し、あなた達のために出来るだけ頑張って伝えていこう。
「今の話はマジだぞ。少なくとも緋村の息子もしとりちゃんに惚れてる。陸奥は西郷と会ってるし、あと十年だろう?」
「その四年前に私達はイギリスに行きますよ。『エンバーミング』と『黒博物館』のために」
本当は関わりたくないんですけど。
ドクトル・バタフライの頼み事であり、私の進んでいかないといけない道です。未来の世界に私の残す何かが必要になるから、楯敷ツカサも会いに来ていた。
───つまり、私は何かを手に入れる。