某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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仮面の中 破

『るろうに剣心』の世界を基本軸として複数の物語は融合し、世界の歴史は真っ直ぐと進んでいる。しかし、楯敷ツカサと名乗った『ラスボスになりたい』という悪を志す転生者と、ドクトル・バタフライと名乗り始めた『統一された世界』という愉快犯的な転生者の二人の存在は次元を歪める程に共鳴している。

 

戦闘力5以下の私に戦える術は無いですし、搦め手や不意打ちで使える程度の護身用アイテムは数個ほどで、人を傷つける道具は持っていないです。

 

「左之助さん、何してるんですか?」

 

「……いや、景がオッサン達と仲良くしているからよ。狡いとかオレの女房だぞとか考えてたんだが、盗み聞きしようとして悪かった」

 

「ドクトル、少し席を外しますね」

 

「嗚呼、問題ないよ」

 

ゆっくりと居間を出て私は左之助さんの手を引き、寝室に戻って正座してポンポンと目の前の畳を軽く叩いて座るように彼を促してあげると、おずおずといつも座って眠ったりする場所に座り始める。

 

「左之助さん、先ず最初に伝えておきます。私は貴方だけを愛していますし、離縁も浮気もしません。貴方だけが大好きなんです」

 

「……おう」

 

「ドクトルや不破さんはお友達ですが、私達は同じ共通点を持っている存在です。私とドクトルは知識、ススハムと不破さんは肉体、他にも似た人は居ますけど。外国にいることが多いでしょうけど」

 

「オレにはねえってわけか」

 

悔しそうに呟く左之助さんの手を握り、ゆっくりと彼の大きな身体を抱き締める。貴方と生きるために、私はもう怯えているだけではダメなんです。

 

「貴方が私を見つけてくれた。貴方が私に笑顔をくれた。貴方が私に愛を届けてくれた。貴方が居るから私は怖くても歩いていける。大好きです、左之助さん」

 

「ばーか、オレの方が大好きだよ」

 

そう言って私の事を抱き締め返してくれた左之助さんに嬉しく想っていたその時、左胸に仕舞っていた筈のシリアルナンバー「XX(20)」の核鉄が飛び出し、武装錬金を起動した時のように形状を作り替えていく。

 

「イデッ」

 

「わっ、とと…!」

 

左之助さんの頭に当たってバウンドしたそれを受け止める。武装錬金したというには、武器になっているわけでもない。見た目はバックルのようなもの。

 

「(ガンバライダー?)」

 

ふと、なんとなく頭に浮かんだ単語を思う。アーケード版のライダーを使うとか言っていましたけど、まさか私に接触してカードを触らせたのも、このバックルを産み出させるため?

 

「その問いはYesだ」

 

カチリと音が聞こえた瞬間、世界が止まる。

 

いえ、緩やかに動いているけど。私は普段と同じように動け、左之助さんの真後ろに立っている楯敷ツカサも見つめることが出来る。

 

「ありがとう、糸色景。お前のおかげだ」

 

そう言って彼は灰色の壁に消えてしまった。

 

 

 

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