西郷四郎の所属する講道館に向かうことを話したら何故か左之助さんだけじゃなくて緋村剣心も着いてきました。いえ、相談したのは私なので助かりますけど。
剣術以外に興味ないと思っていた。
「剣心、柔道でも始めるのか?」
「いやあ、神谷活心流にも柔はあるのだが本場の技を見ておこうと思っただけでござるよ。それに糸色殿は何やら巻き込まれている様子でござった故」
「今回は普通にお仕事ですよ?」
私がトラブルに向かっているように呟く緋村剣心に言葉を返しつつ、彼が私の背後や路地の間に視線を向けている事に首を傾げる。
誰かいるのだろうかと考えながら後ろを見ようとした瞬間、左之助さんに肩を抱かれ、そのまま講道館に向かって歩くことを優先してしまう。
一体、どうしたんでしょうね。
そう思いながら私に歩幅を合わせてくれる左之助さんの優しさを嬉しく思う。緋村剣心は倭杖を抜いて何処かに行ってしまい、直ぐに戻ってきた。
「おう。どうだった?」
「講道館に敗れて恨みを持つ者達でござったよ。糸色殿を狙っていたのは広告の話を聴いて、逸った門下生による独断であろう」
「景は本当に巻き込まれるなあ」
「今回は無関係ですよ?!」
「「それは無い」」
もっと私の事を信用してくれても良いのに酷いです。私はお仕事で向かっているだけで、依怙贔屓したり一方だけを信じることはしません。
そもそも健全な格闘技を目指しているのに善悪を押し付け合い、どちらが優れているのかを競うのは少しだけおかしいと思います。
「HEY!SANOSUKE!!!」
「あ?……うげっ、ウィルじゃねえか」
「HAHAHAHA!!折角の再会なのに辛辣すぎて僕は悲しくなってきたよ。景も久しぶりだね」
似非英語みたいに言葉を話す青年。ウィリアム・ヘンリーに困惑する緋村剣心にアメリカで出会った経緯や向こうで起こった出来事を伝える。
しかし、やっぱりヘンリー君の身体は変化を始めている。今はもうビリー・ザ・キッドではなく、陸奥雷の体つきや輪郭、雰囲気に変わり始めている。
唯一違うのは、髪の毛の色だけだ。
「ああ、あなたが緋村剣心!左之助や景には沢山話を聴いているよ!」
「拙者の話でござるか?」
「悪口は言ってねえよ。しかし、どうしてお前が日本に来たんだ?ビュー達と西部制覇するとかなんとか言ってたじゃねえか」
「あー、あれはもう終わった!ビュー達とは別れたし、雷はネズ・パース族のあの子と結婚したぜ!」
あら、あらあら、それはおめでとうです!