クズリのドンの存在を怪しんでいる警察の方々に事情聴取を受けたものの、首輪を着けているし、吠えずにひとえと一緒に日向ぼっこしている。
むしろスネコスリの親分の存在感に釣られて、そちらに視線を向けている新人の警官の方々は後退りしていたり、随分と大変な気持ちの様子です。
「一等巡査!」
「なんだ?」
慌ただしく駆け寄ってきた新しい警察の方々と話していた直後、彼らは深々と頭を下げて帰ってしまった。電信を使って誰かが警察に連絡したのか。あるいは、東京に潜んでいる誰かが送ったのかでしょうね。
「アイツら、何がしたかったんだ?」
「ドンの飼育云々です。クズリはイタチ科に属する動物で、イタチ最大の大きさも相俟って熊の近類と勘違いされたりしますが、普通のイタチさんです」
「普通のイタチは100kg近いイマジンを引きずって連れていくなんて出来ないんだが?」
「まあ、そういうこともありますよ」
「アンタはそれでいいのかよ」
私の言葉に呆れるソウタロスに「貴方も此方の生活に慣れておいて損はありませんよ」と告げると「全部ディケイドってヤツが悪いんだ」とか呟いている。
責任転嫁するのは悪いことですよ。確かに、楯敷ツカサによって私の身体を奪おうとしていたのは知っています。が、私の身体はもうボロボロです。
この身体を奪うのは無理でしょう。
「はあ、なんでアイツに従ったのかねぇ……」
「ある種の支配権を持っていたか、そうなるように仕向けていた可能性もありますよ。一番の理由は楯敷ツカサにとって何時でも使い捨てに使える怪人だった、のかも知れませんけど」
「……チッ。オレも変身できりゃ対等だっての」
「変身って電王になりたいんですか?」
「いや、ちょっと喧嘩したいヤツが居てな」
そう言うとソウタロスは静かに白い拳を見つめる。ひとえの「お友達になりたい」という純真な想いを受け、彼の身体は白く汚れを纏わないものに変わった。
いずれ仮面ライダーダークディケイドと戦うために彼の力を借りることになるのでしょうが、仮面ライダー電王に変身できる特異点を見つけないとですね。
「……あの、私って特異点ですか?」
「あ?何言ってんだよ」
「そ、そうですよね、流石に」
「特異点ならオレを弾けるだろうが」
「ひぃんっ、また巻き込まれるぅ…!」
私はのんびりと家族で過ごせれば良いのに、どうしてこんなことになっちゃうんですか?と半泣きになりながら日向ぼっこしていたひとえを抱き締める。