某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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忍び親善試合 破

三つの流派は熾烈な戦いを繰り広げている。

 

元々徒手空拳による戦闘を得意とする般若は直刀じみた直刃の忍び刀を容易く手の甲や手のひらで受け流し、手甲を仕込んだ拳をカウンター気味に打ち込み、正確無比な猛打を叩き付ける。

 

「超忍法・舞獅子!」

 

「これは…!」

 

刀印に指を組んだ陸忍の身体は五人に変わる。影法師、分け身の術、いわゆる忍者の定番とも言える数人に増える『影分身の術』を利用する。───僅かに動揺する般若の背後に分身の二つが回り込み、残りの三人は超忍法を使おうとしていた牙忍に向かって駆け出す。

 

同一人物たる陸忍の手裏剣や剣技の連携に般若は攻めあぐね、防戦一方になりながら、牙忍を取り囲む三人の陸忍は槌や刀、手裏剣を使い分け、苛烈すぎるほどに怒涛の攻めを与え続ける。

 

「シィイヤッ!!」

 

「ぐあっ!?」

 

「クソッ!」

 

刹那、裂帛の気合いと共に繰り出された牙忍の縞模様の槍とも杖とも見える忍具「変幻自在棍イカズチ丸」は巨大な手裏剣に形状を作り替えて、超忍法・舞獅子によって増えていた二人の分身を切り裂き、残り一人に向かって十回を上回る程に荒々しく飛び蹴りを放ち、戻ってきたイカズチ丸を受け止め、静かに背に背負う。

 

やはり迅雷塾の人間は強いですね。

 

彼なら迅雷塾に伝わる伝説の忍具「ゴウライチェンジャー」を授かる可能性もあるかも知れませんね。そう思いながら陸忍と般若の戦いに視線を戻す。

 

素早く影さえ追えないスピードで駆け抜ける陸忍と般若の二人にしとりとひとえはワクワクしているけれど。私はしっかりと機能を発揮しているスーツに、ほうっと安堵の吐息をこぼす。

 

しかし、彼らは忍者だ。

 

「超忍法・牙走り…!」

 

「超忍法・土雷進!」

 

「なッ、ぐがあっ!?」

 

舞獅子の一人が地面を抉り潜ったその時、牙忍の構えた右手が般若の胴にめり込み、地面を引きずり進み、その背中を穿つがごとく陸忍の拳が般若の背中を打った。

 

今のは単なるアクシデントではなく、故意的に般若の事を狙って陸忍と牙忍の二人が連携していた。忍者としてお互いの技を利用しただけと言われれば、そうなのでしょうが流石は忍者です。

 

「般若め、戦いを離れて緩んだか?」

 

「式尉、よく見ろ」

 

「……成る程、そういう事か」

 

私達の傍に控えている四乃森蒼紫と式尉の二人の会話に首を傾げつつ、ふらつきながらも膝を突いて立ち上がろうとする般若を見据える。

 

「お前達の攻撃、纏めて返す!」

 

その掛け声と共に般若は両の手を固く結び、右腰に手のひらを拡げて構える。般若の身に付ける『超忍者隊イナズマ』の強化服は黄色い稲妻『閃電』────。

 

そして、その力は蓄電と放電です。

 

動けば動く程に力を蓄える。

 

「稲妻忍法・電光暴流*1!!」

 

般若は目映く輝く雷の球体を撃ち放ち、巨大な爆音と放電の余波を起こして陸忍と牙忍の二人を倒したものの、初めての戦闘に疲労困憊という様子だった。

 

しかし、何はともあれ。

 

最初の戦いは無事に終わりました。

 

 

*1
ダイナイエローの技「電光ボール」のオマージュ。

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