某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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変化の分岐 序

羽忍。

 

そう呼ばれた女性は転生者ではなく、この時代を生きる人間という事は分かっています。

 

おそらく『忍風戦隊ハリケンジャー』の時代に生まれるのでしょうが、辻褄を合わせるために『非公認戦隊アキバレンジャー』に登場した『テントライジャー』が選ばれてしまった。

 

しかし、世界観の共有と考えれば自然です。

 

しれっと一人だけ公認化している事実に誰が気づけるのでしょうね。……まあ、私みたいに『前世の記憶の保持』を選んだりする人は居ないですよね。

 

そう思いながら採石場を見る。

 

水忍と羽忍の飛翔と滑空を活かした攻撃をそよ風のように躱し、水流を筋肉で受け止める式尉。あの人は筋肉の神かなにかに取り憑かれているのかな?

 

「なんで効かないのよ!」

 

「俺の筋肉は鉄壁だ。常日頃の鍛練に加えて食事の組み合わせ、休息期間、ありとあらゆる時間をこの筋肉という武器に捧げている」

 

「(……効いていますよ、その水圧は普通。でもその人の筋肉は一切の無駄を省くように組んだトレーニングによって積み重ねているものなんです……良いですよね、腹直筋。個人的には前鋸筋や広背筋も好きです)」

 

全部、左之助さんに注いでますけど。

 

「超忍法・水流破!」

 

「効かないと言っている!」

 

圧倒的なパワーは水の衝撃を吹き飛ばし、うなる豪腕が水忍の喉輪を狩り、地面に叩き付ける。ラリアット。術式無敵流の技を盗んだんですね。

 

流石は忍者です。

 

そう感心する私の隣に座ったまま闘志を燃やす左之助さんは戦いたいという意欲を隠しきれていない。まあ、そういうところも大好きですが。

 

「あんまり女は殴りたくないんだがな」

 

戦いにくそうに呟く式尉の首に羽忍が絡み付き、首を締め上げる。────だけど。分厚く木の幹のように太くなった首を締め上げるには筋肉も力も足りず、ここからだとおんぶしているように見えます。

 

「ん!母様もよくしてた!」

 

「あ、あはは、すぐ動けなくなりますからね…」

 

「昔より体力は増えたもんな」

 

「かーしゃま、えらいえらい」

 

よしよしと私の頭を撫でてくれるひとえの優しさに涙を流しそうになりながらも無事に二戦目も御庭番衆の勝利に終わった瞬間、ビクンッ!と身体が跳ね上がった。強烈すぎる殺気に腰が抜け、息苦しくなる。

 

御庭番衆以外の忍者が、四乃森蒼紫を睨む。

 

こんなにも気を失いかけるほどに恐ろしい気配に晒されても四乃森蒼紫は平然と採石場に向かい、この日のために姿お兄様に譲り受けた二振りの小太刀を見る。

 

 

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