空忍、角忍、そして四乃森蒼紫の三人は睨み合っている。正確には四乃森蒼紫の事を睨み付け、いつでも戦えるように忍び刀を構えている。
最初に動いたのは角忍。
変幻自在棍「イカズチ丸」を引き伸ばして、槍のように振るい、小太刀を構えた四乃森蒼紫を間合いに踏み込ませないようにしているけれど。───四乃森蒼紫にとって小太刀はあくまで戦うために使用しているだけの単なる道具に過ぎない。
「いぃやっ!」
「下らん。戦国に生まれた忍びか、これが?」
顔を狙った突きを僅かに首を逸らして躱し、小太刀をイカズチ丸を添えるように構え、X字を描くように小太刀を振るった瞬間、イカズチ丸が角忍の手の中から宙に向かって大きく弾ける。
武器を失った角忍に回し蹴りを叩き込んだ。
緋村剣心の好敵手。左之助さんが再戦を望む人。斎藤一さえ認める男。御庭番衆の頭領を務め、料亭旅籠「葵屋」の若旦那でもある彼にとって忍術に頼りきっている彼らは堕落しているように見えるのだろうか。
「貴様も来い」
「超忍法・空駆け!」
「空を飛ぶ忍術か」
「うおりゃあっ!!」
忍び刀を真上から振り下ろす空忍。
その剣撃を容易く受け止め、鍔迫り合いに持ち込んだ四乃森蒼紫の背後に角忍が迫る。卑怯ではなく戦略としては当然の行為ですが、四乃森蒼紫には通じない。
鍔迫り合いに応じていた左逆手の小太刀の振りかざし、イカズチ丸を受ける。角忍と空忍による挟み撃ちの姿を見つめていると、四乃森蒼紫が私を見た。
おそらく本気を出すつもりなのでしょう。
「蒼紫様…!」
「大丈夫ですよ、操さん」
僅かに力みを緩めた四乃森蒼紫は後ろに半歩飛び、イカズチ丸と忍び刀がぶつかった瞬間、小太刀を振り落とし、彼らの武器を切り落とした。
しかし、それでも戦おうとする角忍と空忍のうなじに小太刀の峰を打ち込み、意識を完全に刈り取った四乃森蒼紫は背中の鞘に小太刀を納める。
「止めておけ。お前達は死ぬには惜しい」
その言葉に私も同意するように頷き、どんよりと沈んだ雰囲気の忍風館と迅雷塾の双方に視線を向け、今度はお父様に視線を移すと少し困ったように笑った。
ちゃんとお父様は理解してくれている様です。しかし、こうなったら私も仕送りをするべきでしょうか?でもお父様もお母様も素直に受け取ってくれるとは思えませんし、どうしましょうか?
戸隠流も引き入れて、伊賀崎流も加わるわけですし。ああ、志葉家とも話し合わないとですし、下手したらマジトピアに行く可能性も考えないとですね。