結局、ソウタロスからデンオウベルトを受け取ったものの、私はベルトを巻く勇気はないです。下手に巻いて変身できてしまえば戦うことになりますし、怖いのも痛いのも絶対にイヤです。
「ご丁寧にライダーパスまで…」
少し戸惑いながらもライダーパスを見つめているとひとえがベルトを持ち上げて、可愛らしく小首を傾げているのが見えた。
とても可愛いです。
「ひー、つかえる」
「え?」
「これ、ひーもつかえる!」
いきなりベルトを振るって腰に巻き付けたひとえにビックリしたのも束の間、ストンと身体が小さくてベルトを巻き付けることが出来ず、ひとえは私を見つめる。
ぷくーっと頬っぺたを膨らませてデンオウベルトを飛び越えると私に抱き付いてきました。ポンポンと彼女の背中を優しく擦ってあげながら、今の一瞬だけひとえの動きに変化を感じたのは事実です。
「ひとえは使い方を知っているんですか?」
「んーん、ひーはしらないよ」
「……頭の中に声がします?」
「ん」
「成る程、それならおまじないをしてあげます♪︎」
ショドウフォンを取り出して、ひとえの頭に『封』の字を描き、しっかりと馴染ませる。もしも危険な状況に巻き込まれたり、誰かを助ける力を欲しいと思ったら簡単に解除できるように軽い封印を施す。
しかし、しとりは『スーパー戦隊』の戦闘員や存在を惹き付け、ひとえは『仮面ライダー』に関わる何かに引き寄せられている気がする。
どうにかしてあげたいけど。
私は四面楚歌のごとく色々なところからも狙われていて、貴女達を巻き込まずに日常を過ごすだけでもそれはもう精一杯ですからねえ……。
「かーしゃま、おえかき?」
「フフ、大事なおまじないです」
「おまじない?」
このモヂカラを解いたときに溜め込んでいた力が溢れてしまうかも知れないけれど。しとりとひとえは左之助さんに似ているから身体も強いです。
「ひとえはお姉ちゃんのように何かやりたいことはありますか?」
「ねーしゃま?」
「えぇ、ひとえの夢を聞きたいです」
「かーしゃまになりたい!」
「お母さんになりたいの?」
「うん!」
お嫁さんになりたいという夢ですか、とっても可愛くて素敵な夢ですね。いつか素敵な人と出会えたら、お母さんに教えてほしいです。
左之助さんに教えたら、その人を見定めるとか言って喧嘩になりそうですし。しとりもひとえも強くて優しい男の人と幸せになってくださいね。
しかし、お嫁さんになりたいかあ……。
「ひとえは好きな人がいるの?」
「んへぇ?」
ああ、まだ居ませんね。