ソウタロスの事を迎えて暫く経つけれど。彼は未だに記憶を思い出すことが出来ず、古びたデンオウベルトとライダーパスを大事に持っている。
おそらく今後の未来で必要になるはずです。
「オレは誰と契約してたんだ」
「ひとえの前契約者のことですか?」
「……ああ、そうだ。コイツはオレの憑依していたヤツが使っていたベルトだっていうのは左之助にボコボコに殴られているときに思い出した。だが、肝心のソイツの名前と顔が思い出せねえんだ」
記憶喪失、あるいは意図的に彼の記憶を消していると考える方が正解ですね。楯敷ツカサの策略なのは分かっているけど、ソウタロスを使う理由が分からない。
私を襲うだけなら怪人を使わずに自分で襲えば良いだけ。以前、タイムジャッカーのように時間を停止させていた様に、あの力を使えば私を好きに出来る。
そうしない理由が分からない。
「だぁーっ、分からん!糸色が変身してくれれば分かるかも知れないんだけどよ」
「それは無理です。初めて私に憑依したときに貴方も痛みに驚いていたじゃないですか」
「ぐうぅ……あ、そうだ」
何かを思い付いたようにポンと手を叩いたソウタロスはひとえを抱き上げ、ジッと彼女の事を見つめると「やっぱり見覚えがあるんだよな」と呟く。
「糸色、お前の子供って何人だ?」
「二人姉妹です」
「どっちかベルト着けて良いか?」
「ひーはつかえるよ?」
「おお、マジでか!流石はオレの契約者だぜ!」
「んへへぇ」
今のは褒めていたのかしら?と首を傾げながら、ひとえも喜んでいるから問題ないと判断し、今日の内に書き終わらないといけない分を描き終える。
繋がっている世界なのでセーフです。
そろそろ変態さんの妖怪小僧が現れるかも知れませんけど。我が家にやって来たら、確実に冥府に送り込んでしまうかも知れないですね。
「まけた!」
「ぎ、ぎり、行けるか?」
ウンウンと唸っているソウタロスは二つあるボタンの一つを押した。が、しかし、古びたデンオウベルトは何も言わず、ひとえに憑依も出来ない。
やっぱり、何か別の要因があるわね。
ドクトル・バタフライに渡したら直して貰える可能性はありますけど。明らかに蝶々の装飾や複製品が出来ているかも知れない。
そうなったら流石に擁護できないですし。
「仕方ないですね」
ライダーパスを手に取ってソウタロスに差し出す。
「ソウタロス、今度私と一緒にデンライナーに乗って貴方を知っているのかを聞きに行きましょう。ひょっとしたら貴方の前契約者に会えるかもです」
楯敷ツカサを知る事も出来ますからね。