よしみ。
好か美のどちらでしょうか?と思いながら停車したまま動かないデンライナーに私を気遣ってくれているのだろうと考えて、ほんの少し申し訳無くなる。
「ヨシミばあちゃんじゃないの?」
「ごめんなさいね、リュウタロス君、私は相楽景なのでヨシミじゃないんです。私で良ければだけど、一緒にお話ししましょう?」
「うん!よろしく、ケイちゃん!」
うっ、ひぐらしの鳴き声が……。
「呼び捨てで良いですよ、リュウタロス君。呼びにくいでしょうし、ソウタロスとモモタロス君達のお話しも長引きそうですから」
そうリュウタロスに話しながら画用紙にクレヨンでお絵描きを始める彼の隣に座り、色んな物を描いているんだと教えて貰った。
チラリとソウタロスの方を向けばモモタロスやウラタロス、キンタロス、そしてオーナーに話を聞いて貰っているようですね。
「ケイも何か描いてよ!」
「じゃあ、リュウタロス君を描いてあげます」
「やったー!」
万年筆を取り出してリュウタロスを描こうとしたとき、私の持つ万年筆にリュウタロスの視線が集まるのが分かった。右、左、手を動かすと猫さんのように彼の視線は万年筆を追いかける。
私のお友達からの贈り物なので上げることは出来ないので別の物を探すように袖の中に手を入れて、しとりとひとえにもプレゼントしてあげたひみつ道具『空気クレヨン』と『本物クレヨン(こちらは色を変えるだけ)』をリュウタロスに渡してみる。
「えっ、こんなに良いの!?」
「フフ、私の宝物を渡すことは出来ませんからこれで我慢して下さいね?ちなみに、このクレヨンはお空にも描けるんです♪︎」
「すごいすごい!!こっちは、ボタンでクレヨンの色が変わる!!ケイちゃんの持ってるクレヨンってすごいのばっかりだね!!」
いえ、どちらかと言えばドクトル・バタフライの技術的の高さがすごいだけで、私の場合はそれを作るための設計図を描いているだけなんですよね。
「……糸色、だいたい話は分かった」
「見つかったんですか?」
「いや、あのツカサと戦うために離れたときにオレと前の契約は無理やり破棄されたらしくてよ。記憶を取り戻すにはお前達と一緒にいるほうが良いらしい」
「フフ、それなら良かったです。生きているということですからね」
ひとえとしとりも折角仲良くなったばかりのソウタロスとお別れしなくて済むなら問題ないですね。……ですけど、彼の契約していた人は楯敷ツカサ君に負けて、どこかの時代に飛んでいる。