某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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夫婦水入らず 序

しとりとひとえ、ソウタロス、個魔の方の寝静まった夜。いつものように晩酌をする左之助さんの隣に座り、お酒をかなりお湯で薄めた物を飲む。

 

正直に言ってしまうとお酒を飲む度、サンピタラカムイ様の巫女という謎の役職を拝命した事を思い出してしまうので苦手なんですよね。

 

まあ、お酒自体が苦手ですけど。

 

そう湯呑みに注いだお湯(1%くらいは神酒)を飲みつつ、左之助さんとお月様を見上げる。

 

「そういや景は知ってるか?オレ達の居る場所は太陽や月と一緒に回っているんだってよ」

 

「ああ、地動説ですね」

 

「なんだ。知ってるのか?」

 

「知っていますよ。地動説は太陽を基点に公転を続けていて、一緒に回っているというものですね。でも、実際は、そうじゃ…んぅ……」

 

うつらうつらとお酒が身体に回り始めたのか。

 

眠気を誘われ、スルリと着流しを纏っている左之助さんの腕の中に移動し、湯呑みを長机に置いて、ストンと左之助さんのお膝の上に座り直す。

 

「やっぱり酔うと積極的だな」

 

「んふふふぅ♪︎そうですか?」

 

私はまだ酔っていないです。安心できる場所に移動しているだけで、決して左之助さんに抱き締めて欲しいなんて思っている訳じゃないですよ?

 

どうしても抱き締めたいなら許可しますけど。

 

「左之助さん、好きですよぉ」

 

「知ってる。オレも大好きだ」

 

「んふふふぅ♪︎」

 

スリスリと彼の首に抱き付き、頬っぺたと頬っぺたを擦り付けて笑顔を向ける。左之助さんは背が高いから膝立ちでギリギリ届く距離です。

 

「……なあ、さっきの実際はそうじゃないってのはどういうことなんだ?」

 

「外国の主流は地動説ですけど。実際は私達の暮らす地球が、星の公転の真ん中なんです。向こうでこんなことを言ったら殺されちゃいますけど…」

 

「たまに思うが、本当に何処から仕入れるんだ?」

 

「ひみつです♪︎だって、女の子から隠し事をとったら何も残らないじゃないですか」

 

「隠し事を直接聞いてやろうか?」

 

「助兵衛な左之助さんはヤです」

 

ふいっと顔を逸らして、また向き直ってにっこりと微笑んであげたところで私は俯く。また、酔って恥ずかしいことをしてしまいました。

 

恥ずかしいです、とっても恥ずかしいです!

 

「酔ってたろ、言ってみな」

 

「……酔ってないです」

 

「酔っても忘れないのは知ってるんだから、今さら誤魔化さなくても良いじゃねえか。ほら、また抱き付いて頬や首に接吻して良いんだぜ?」

 

「そんなことしてません!?」

 

そう言ったところで笑う左之助さんと目が合う。謀りましたね、なんて卑怯な手を使うんですか。……けど、好きなのは事実ですから。

 

 

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