あれから四日後にやって来た志葉誠輔は以前よりラフな着流しの格好で、刀と一緒に扇子を佩いている。鉄製の扇子ではなく普通の扇子です。
流石に何度も追い返すわけには行かず、左之助さんは渋々と彼の事を居間に案内し、私は三人分の湯呑みとお茶菓子を用意して居間に戻る。
しかし、本当に我が家に来る理由が謎です。
「もう黒子の人に書類は貰っていますよ?」
「いや、今回は別件だ。相楽にも関係していることだと思うんだが、コイツを知っているか?」
そう言うと志葉誠輔の取り出した物に私は目を見開いてしまった。可能性を否定するつもりはありませんでしたけど。やっぱり、この時代にもありますよね。
左之助さんは分かっていない様子ですけど。
「
「ちょっとした伝でな。槍もあるが、黒子衆にお前の実家に送るように伝えておいた。確か、銘は北落師門という大槍だったと思うが……」
さ、『SAMURAI DEEPER KYO』の魔槍まで?と困惑する私を他所に奪鬼を手に取った左之助さんは鱗模様の刀身を静かに見詰める。
「左之助さん?」
「コイツ、力を寄越せって言ってんだが折るか?」
「まさか、折れるのか?」
「ん。ああ、蛮竜なら行けるな」
「(私の旦那様は何処を目指しているのだろう。最強の妖刀を一度は砕き掛けていた奪鬼を然も当たり前のように破壊できると言っている……)」
しかし、蛮竜なら可能にしてしまいそうですね。
「折角だ。オレと斬り合おう」
「お前もそっちかよ」
「男は棒振り大好きだろ?」
志葉誠輔は楽しげに奪鬼を手に取り、中庭に出ると肩担ぎに刀を構える。対して、左之助さんは蛮竜を斜め下段に構えている。
体格的に有利なのは左之助さんですが、武器の有利は志葉誠輔にある。剣士と鉾使いでは身体の間合いが違いますから対処に困るでしょう。
「景、合図を頼む」
「……分かりました」
縁側に正座して、二人を見据える。
「─────始めぇ!」
その言葉を合図に駆け出したのは志葉誠輔。左之助さんは足の位置を動かし、切り上げを放つと志葉誠輔は振り下ろしの斬撃を繰り出した。
轟音と共に引っくり返りながらも頭や身体をぶつける前にドンと親分、謎のタヌキかムジナか分からない生き物に助けて貰えました。
「グウゥ?!」
「チィッ!!」
お互いの妖気が強すぎて反発し合う。
これは、どちらも強すぎるせいですね。