某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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未到の界 序

オトモ忍の精霊を宿していない『超絶勝負チェンジャー』の甲冑を身に付けた左之助さんは凄まじい速さで駆け出し、シンケンレッドと真っ向勝負の打撃の応酬を繰り広げる。

 

喧嘩殺法の乱打と正統派な空手や柔術に近しい、いわゆる戦場組討術の動きで迎え撃つシンケンレッド。関節破壊と急所を打つ抜き手や極め技は見栄えを徹底的に排除し、無機質な破壊行為にも見える。

 

───けれど。

 

左之助さんの右拳を手のひらで受けることを選択したのは失策です。シンケンレッドの左手が大きく後ろに弾け、痛烈な打撃音と共に彼の身体は仰け反った。

 

「グウッ!!……拳が砕け掛けたぞッ」

 

「オレの両拳は万物必壊だぜ、殿様よぉ!」

 

ゴツンと拳を打ち合わせて笑う左之助さん。専用のバトルスーツを身に付けていないため、カッコいい凛々しい顔が見えてしまっているけど。

 

まだ大丈夫なはずです。

 

荒々しく吹き荒れる風が青白い雷撃を帯び、切り裂く旋風が猛り燃える火に変わる。お互いの顔を交差する拳が撃ち抜き、僅かに打撃力で劣って鑪を踏んで後退るのはシンケンレッドだった。

 

自力の差はほぼ無いでしょうが、私の左之助さんは外道衆のアヤカシを上回る相手と何度も戦い、幾度となく勝利を掴み取ってきた人です。

 

「やっぱり強いな、六人目に欲しいくらいだ!」

 

「誰がなるかよ、侍なんざ!!」

 

称賛するシンケンレッドに反抗し、お互いの武器を得るために僅かに後ろに飛び退く。大鉾の柄を掴み、大上段に構える。打刀の柄を掴み、晴眼に構える。

 

青白い雷撃を纏って力を溜める。

 

妖刀に『火』のモヂカラを吸わせる。

 

お互いに行っていることは同じ。しかし、決定的な差は武器の性能ですね。奪鬼は自分を守るためにモヂカラを吸い上げている。

 

対して、蛮竜は左之助さんの意志に呼応するように力を引き出している。完全なる一心同体の状態と言え、蛮竜も最大威力の力を放出しています。

 

「蛮竜閃っ!!」

 

「火炎の舞っ!」

 

刹那、衝突する(バケモノ)器物の余波で倒れそうになる私の事を誰かが支えてくれた。緋村剣心か薫さんかな?と後ろに振り返ると池波君でした。

 

バキィン…!と鈍く金属の砕ける音が響き、蛮竜の力が奪鬼を打ち負かした。当然、刀々斎様が鍛え直した蛮竜は相手の妖気を吸い取る事ができ、然も当たり前のように奪鬼の力を得ていました。

 

「(……これ、また勧誘が増えるのでは?)」

 

ただでさえ左之助さんは有名すぎる喧嘩屋なのに志葉家の当主に勝ったとなれば更に勧誘は増えてしまうのではないでしょうか?

 

 

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