随分と賑やかになってきましたね。
「んー、んー!」
「んとねぇ」
ウンウンと可愛らしく小首を傾げて悩んでいる姉妹の姿を模写しながら私はムジナと判明した生き物の名前を考えているしとりとひとえを見詰める。
正直、ボスと名付けたいしとりと、ボスじゃなくて、ぼっちゃんと呼びたいひとえの初めての姉妹会議を私達は楽しく眺めています。
しとりは姉の権利を使って勝手に名付けることはせず、しっかりとひとえの要望も聞き入れています。が、やはり年齢差ゆえに名付けに変化もありますね。
「ねーしゃま、いきめていーよ!」
「息めて?……あた、きめてですね」
言葉の配列を間違えるのは良くあることです。
しかし、本当にしとりもひとえも可愛いです♪︎
「じゃあ、ぼっさん!」
ムジナのボスことぼっさんになりました。
なんだかボッスンみたいですね。そう考え込んでいるとお風呂に入って清潔になったボッスン……じゃなくて、ボスは満足そうに撫でられています。
まあ、みんなが幸せなら私も満足です。
「景、タヌキって何食うんだ?」
「ムジナですってば。基本的に雑食ですから、食べたいものは何でも食べますよ。あと、そのムジナは妖怪ですからね?」
「また妖怪か!?」
また、妖怪です。
もっとも、このムジナは野生で生きていたムジナというより人間に飼われていたムジナが妖怪に転じて、こうして我が家にやって来たのでしょう。
スネコスリの親分、ムジナのボス、そしてクズリのドンという子供を守るチームが出来ましたね。しかし、本当にしとりもひとえも妖怪に好かれやすい。
「オレの契約者なんだけどな」
「ソウタロスも混ざりたいの?」
「母者、コイツは夜な夜な変身ごっこしてるぞ」
あら、そうなの?と個魔の方の言葉を確かめようかと思ったものの、流石に恥ずかしいところを見られていたことを伝えるのはダメですね。
───ですが、見てみたかったです。
「景、また個魔の方と話してるのか?」
「えぇ、面白い話をしてくれていますよ」
「ほう?」
「でも内緒です♪︎」
そう言って私は人差し指を口許に添える。お茶目に返事を返したことにビックリする左之助さんの顔も意外と可愛いんですね。
「ぼっさん!どん!おやぶん!」
「ん!ひーちゃん、えらい!」
「んへへぇ…」
しとりに褒めて貰えて嬉しそうに笑うひとえの顔はとっても幸せそうだ。このまま安全に生きていけると良いんですが、そろそろ数年以内には『妖逆門』をすると個魔の方が教えてくれました。
せめて、それまでは頑張りましょう。