しとりとひとえの二人にお買い物を頼んだ後、こっそりと私達は二人の後を追い掛けています。初めてのお使いを無事に終わらせることは出来るのでしょうか?
「景、隠れる必要あるのか?」
「あります。しとりはとても目が良いですから隠れていないと直ぐに見つかってしまいますから、あの目の良さは左之助さん譲りですね」
「いや、お前の神通力だろ」
神通力なんてあるわけないじゃないですか。そう言ったら別の事を怪しまれそうなので喋らず、苦笑を浮かべることを私は覚えました。
言葉を濁す。こうして黙っていれば私の『特典』に関する事は教えることもバレることもありませんし。なにより身体に掛かる負担も減らせます。
が、不安もあります。
私の身体を蝕む痛みが増している。
おそらく彼と話して会ったことが原因なのだろうと理解しているけれど。向こうの世界に渡ったり、未来に行けば私は本当に大変な事に巻き込まれる。
帰ってこれるかも不安ですし。
「お野菜、買えましたね」
「野菜はうちで育ててるだろ?」
「アレは家庭菜園なので量が違いますよ。それに自分でお買い物をするという経験はいずれ必要になるでしょう?今から練習です」
「そういうもんか?」
「そういうものです」
買い物籠にしっかりとお野菜を入れて、手を繋いで歩く二人の微笑ましい姿を眺めていると同じくお買い物をしていた緋村剣心が現れた。
「剣心、もう主夫が身に付いてやがるな」
「そ、そうですね」
ニート侍というわけではないのですが、どうしてでしょうか?お買い物をしている緋村剣心にあのコラ画像の事を思い出してしまう。
「んッ…頭に顎を乗せないで下さい」
「腰が痛てえんだよ、この格好」
確かに看板の後ろに隠れているだけですからね。身体の大きな左之助さんには苦しいかも知れないですけど。これも大事な大切な娘達の成長を見守るためです!
「……剣心のヤツ中々離れねえな」
「緋村さんは貴方の親友ですから、此方の意図に気付いてくれるとは思いますけど」
「おっ、こっち見たぞ」
グッと親指を立てているけど。
たぶん、何も分かっていないですね。なぜか一緒に買い物をしようとしていますし、折角のしとりとひとえの姉妹二人だけのお買い物が……。
いえ、心配してくれているんですよね。
「ん!母様、父様、いた!」
「かーしゃま、みっけ!」
「いやー、迷子だったので連れてきたでござる」
「おう。助かったぜ」
まさか、そのまま連れてきてくれるなんて想像もしていませんでしたけど。