チマチマと虹の反物を使って帯留めや髪飾りを作る。イメージをそのまま反映するプレシャスなので、やっぱり意識して作ると勝手に姿を変えてしまう。
こういうときは無心でするのが一番です。
「うん、良い感じですね」
翡翠と黒曜石の勾玉を括り付け、二つとも綺麗に完成した贈り物を包み、スヤスヤと眠っている姉妹の枕元に置こうとした瞬間、パチリとしとりの目が開き、ジーーーッと私の事を見つめている。
ゆっくりと彼女の頭を優しく撫でてあげ、そのまま眠るように促すために小さな声で子守唄を歌う。赤いリボンと白いリボンも作ってみたけれど。
二人は喜んでくれるかしら?
そう思いながら眠り始めたしとりの頭を最後にもう一度だけ優しく撫でてあげ、裁縫箱を仕舞うために居間の戻っていく途中、廊下に倒れ伏すソウタロスを見つけて、踏まないように避ける。
お酒は程々にですよ。
「左之助さん、今日はお一人で晩酌ですか?」
「ん、いやな。境が来たときにオレと喧嘩しなかったのが不満な訳じゃねえんだが、オレとしては強いガキとやり合えるのは楽しみだったからよ」
そう言ってお猪口ではなく升にお酒を注ぎ、ゴクリと一口で飲み干してしまう左之助さんの手を止め、流石に飲みすぎだと伝える。
しかし、確かに賛さんや武藤君は左之助さんと戦えることを楽しみにしていましたけど。境君は戦わずに『超絶勝負チェンジャー』を借りに来ただけだった。
『爆心の鎧』というのも『SDガンダムフォース』に登場する燃える甲冑の名前であり、『月光条例』に出る敵役は狂ってしまった「御伽噺の住人」です。
炎に纏わる相手が居ても不思議ではない。
「景、慰めてくれぇ…」
「フフ、今日の左之助さんは可愛いですね」
よしよしとお膝の上に頭を乗せてくる左之助さんの頭を優しく撫でてあげながら、酔って赤くなった彼の頬っぺたに触れる。
「あぁ゛…冷たくていいなぁ…」
「冷たいですか?」
自分では分かりませんけど。
私は体温が他の人より低いのだろうかと考えつつ、私の腰に抱き付いて離してくれない左之助さんの事を静かに見つめる。
私の考えて適切に組んだトレーニングを繰り返しているから酔いは直ぐに醒めると思うんですけど。なんだか一向にはなしてくれない。
まだ、なにかあるのかしら?と首を傾げる私の腰を掴んだまま動き出した彼は高い高いをするように私を抱き上げ、ボスンと私を抱き締めながら仰向けに倒れた。
これ、前もありましたよね?
「左之助さん、お布団で寝ましょう」
「このままでいい」
……しょうがない人ですね。