某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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次女のあそび 序

ひとえはお昼寝や動物と遊ぶ事を好み、しとりと同じように妖怪や怪人に好かれるものの、どうしようもなく私の怖いものに関わりたくない性格もある。

 

「かーしゃま、まりー」

 

「あら、かわいい手鞠ですね」

 

「ねーしゃまがくれた!」

 

そう笑いながら縁側で草履を脱いだひとえは手洗いとうがいを済ませて、中庭で七輪の火加減を確かめていた私に手押しの手鞠遊びを見せてくれる。

 

お手玉のように手鞠を放り投げ、楽しそうにひとえは遊ぶ。貴女のそういうところは私に似たんでしょうね。アウトドアよりインドア。

 

お家の中でも遊べるのは幸せです。

 

「かーしゃま、なにしてうの?」

 

「これですか?お昼のお魚を焼いています」

 

「おさかな」

 

まだ小さなひとえに骨取りは難しいから食べる前に私が骨を全て除去し、食べやすいように身を解してあげることもある。

 

この子は賢いので自分でも取れるようになる。左之助さんの真似をして頭から全部食べようとせず、綺麗に食べてくれればいいけど。

 

二人とも左之助さんが大好きですからねえ。

 

「ん?ん!」

 

「どうし、えぇ?」

 

ひとえの持っていた手鞠をドンと親分、ボスが一緒に尻尾で転がしていた。スネコスリって器用に尻尾を使えるものなのね。

 

……にしても、我が家は動物屋敷になってきた様な気もするのよね。スネコスリ、クズリ、ムジナ、二匹は妖怪なんだけど。

 

パタパタと燃える炭を団扇で扇ぎ、ひとえにまた視線を向けると三びきに混じって、コロコロと手鞠を転がして遊んでいました。

 

キュートすぎます、ソーキュートです。

 

「ぼっさん、えらいねぇ」

 

ひとえが、そうムジナのボスを褒めた瞬間、スネコスリの親分がベシッと柔らかそうな肉球をボスの額に押し付け、続けざまにクズリのドンが、その背中に乗る。

 

本当に仲良しで良いですね。

 

「おー」

 

「ドン、噛んじゃダメよ」

 

そう言うと牙を剥こうとしていたクズリのドンはペタンと私の見える場所まで来て、自分のお腹を晒す。服従の証って、ワンちゃんだけじゃないんですね。

 

「ひーもやる!」

 

「あらぁ……」

 

三びきと一緒にひとえも縁側に寝転んでいる。可愛いけど、お母さんは可愛い貴女を見たいだけだから、そういうことは、しなくていいのよぉ?

 

「んっ、ねーしゃま!」

 

「ん。ただいま、ひーちゃん!」

 

防具を縁側に置いたしとりに抱き付いて、嬉しそうに笑うひとえの姿は微笑ましくて、とても幸せな気持ちになることができる。

 

「ん!母様もただいま」

 

「えぇ、しとりもお帰りなさい♪︎」

 

やっぱりうちの子が世界で一番可愛いですね。

 

 

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