「で、このChildが新しい転生者君だ」
そう言って私達の前に現れたのは金髪ドリルだった。いえ、令嬢キャラを思い浮かべると、そういうものをイメージしてしまうのは分かりますけど。
何故、金髪ドリルをお選びに?
「フフン。私の
「どっちかと言えばドリルに目が行く」
「カッコいいでしょう!!」
この子、さてはおバカさんですね。ススハムに視線を向けると彼女も同じことを思っていたらしく、苦笑を浮かべて私の事を見ています。
幻想虎徹を抱き締めている桐さんは黙って金色のドリルを揺らす彼女の事を見つめ、ほの暗い感情の起伏に私はススハムの近くに移動する。
妬みや嫉みではなく羨望に似ている。
「改めて、
カポッと金髪ドリルのカツラを脱いだ彼女は艶やかで細やかな黒髪を揺らす。丁寧に切り揃えた前髪。ハーフアップの髪型も可愛いですね。
しとりとひとえのお友達になってくれたら嬉しいけど。なんだか良くないことを愛娘達に教えそうなので警戒だけはしておきましょう。
「コホン。此方の仮面を付けているのが」
「ウィリアム・ヘンリー。仮面を付けてるのは『特典』のせいで顔が混ざり合って見せるのが辛いんだ。ごめんね、こんな格好でさ」
そう申し訳なさそうに謝るヘンリー君の背中をドクトル・バタフライと一緒に優しく擦りつつ、貴方の事を怖がる人は此処には居ないことを伝える。
そんなヘンリー君に「あぐいさな」が近づき、仮面に覆われた彼の頭を左右から掴み、ジッと面の奥を覗き込むように見つめる。
「ヘンリーだっけ?アンタの思う最強はだれ」
「僕のおもう、最強……」
「言ってみなさい」
「僕の思う最強は、ビリー・ザ・キッドだ。あの早撃ちに憧れた、あの生き方に憧れた、あの強さに憧れた、あの優しさに憧れた、僕が最強だと思うのはウィリアム・ヘンリー・マッカーティ・ジュニアだ!」
「
彼女が仮面を剥いだ瞬間、ヘンリー君の顔は確かにアメリカで出会った当初と同じく金色の髪に青い瞳のビリー・ザ・キッドに戻っていた。
「『その時代の最強になりたい』という『特典』を心の中の一点に集めているのか。成る程、確かにそれならば肉体の変質は起こらない」
「でも、矛盾してない?」
「ヴァカめ!魂に刻んだ想いは神さえも変えられん!」
幻想虎徹の言葉にウンウンと頷く男達に私とススハム、桐さんは困惑する事しか出来ず、「あぐいさな」も笑っているだけだった。