試作段階の兜折神ディスクを使い、辛うじて志葉誠輔達、シンケンジャーは外道衆のオオツムジを倒したそうですが、二の目に兜折神を召喚して戦った結果、秘伝ディスクは最大出力に耐えきれずに砕けてしまった。
「(兜折神のプログラムは破損していないけど。ディスクに込めていたモヂカラは完全に抜けてますね。また作成をやり直すとして、かなり身体に負担を……)」
ゆっくりと深呼吸して『兜』の文字を描き、白色の秘伝ディスクに再入力する。一度のモヂカラに凄まじい力を込めるから身体から、ごっそりと力の抜ける感覚に襲われる。
しとりとひとえにもモヂカラは使えるけれど。
二人にこんな辛いことはしてほしくないですし、こうしてモヂカラを使えるのは技術提供すると約束を交わしたからです。
「景、あんまり無理するなよ?」
「っ、ふふ、大丈夫です。しっかりと危なかったら止めますし、試作段階の兜折神を調べて『頑』や『貫』を加えると安定して使えると判明しましたから」
「良いから座れ」
「あっ、もう…」
彼に腰を抱かれて、そのまま床に座る。
ドクンドクンと聴こえる心臓の音を聴いて、安心しながらショドウフォンを構える手を左之助さんが支えてくれ。力を安定して込めることが出来る。
不安や恐怖は左之助さんがいてくれるだけで簡単に消えてしまいますね。『兜』を描くモヂカラも問題なく終わり、静かにショドウフォンを閉じる。
白色の秘伝ディスクは橙色の秘伝ディスクに変わり、兜折神は完全に使えるようになった。ただ、本来の兜折神と出力を比較していない分、不安は募る。
「げほっ、げほっ…!」
「ほら、布団に運んでやるから」
「す、すみまっ、けほっ」
左之助さんに横抱きに抱えて貰い、書斎ではなく寝室に連れていって貰う。モヂカラを使いすぎて身体の中が焼けるように熱くて、少しだけ帯を緩めてしまう。
「また動かすぞ」
その言葉にコクリと頷いて、私は少し冷たい布団に背中を預けて掛け布団を胸の手前まで掛けて貰う。ここまで甲斐甲斐しくしてもらえているのに、私は何も左之助さんにお返しできていない。
「……左之助さん、ありがとうございます……」
「おう。ゆっくり休んどけよ」
そう言うと左之助さんは私の頭を軽く撫でて寝室を出ていこうとする。思わず、彼の着流しの裾を摘まんでしまった瞬間、恥ずかしさに布団を被る。
「なにか欲しいのか?」
「…………そばに、いてほしいです」
ちょっとだけ布団から顔を出してお願いする。
「良いぜ。ずっと一緒に居るさ」