外道衆や牙鬼軍団、妖怪を率いる彼らの力の源は「人間の持つ恐怖の感情」であり、人一倍怖がりで臆病な私は間接的に彼らを手助けしているのかも知れない。
そう悩む私の安心できる場所は左之助さんやしとり、ひとえ達の傍だけ。他の誰かが居ても本当に安心できるのは家族の傍以外にあり得ない。
しかし、今現在の志葉家に技術提供や相互協力を繋ぐ家系の中で秘伝ディスクの製作を行えるのは私一人という事態も悩ましく思える。
姿お兄様のモヂカラの有無をドクトル・バタフライに調べて貰ったものの、姿お兄様にもモヂカラはあるけれど。私や侍戦隊シンケンジャーのように具現化を行使できる量ではないそうです。
「(兜折神の具現化は『絵』として行える反面、モヂカラの入力には手間取ってしまう。烏賊や舵木は既に完成して、お庭に左之助さんが作った池を泳いでいる)」
「ん!いかちゃん!」
「かーしゃま、つかみゃえた!」
「フフ、すごいですねえ」
舵木折神を捕まえて嬉しそうに笑うひとえを褒めてあげながら、ビチビチと地面でのた打ち回る舵木折神がピクピクと痙攣し始めたところをクズリのドンが弾き、池の中に戻りました。
ちょっとだけ焦ったけど、良かったです。
「母者、コイツらもロボになるのか?」
「いえ、強化装甲になります」
「そうなのか。見たかったんだけどな」
「…あまりオリジナル要素を与えたり不必要な改変を加えるのはダメだと思いますが、確かに楯敷君の事を考えると戦力は必要ですね」
なにより折神は自我を持っていますし、変形機構を加えるのは危険な行動と言うわけでもありません。ただ、心配なのはバタフライエフェクトの大きさだ。
既に未来の分岐点は集束してしまっているし、地獄門を閉じるために呼び出した『シンケンレッド』に関しても志葉誠輔ではなかった。
───薄々、気付いていますけど。
世界の起こり得る出来事は私の行動で変わっている。『ゴールデンカムイ』に斎藤一が参戦するのも例として挙げるなら凄いことになります。
「で、どの動物にするんだ?」
「森の賢者たるゴリラにしようかと」
ゴリラ。
『百獣戦隊ガオレンジャー』然り。『獣拳戦隊ゲキレンジャー』然り。『星獣戦隊ギンガマン』然り。あらゆる戦隊にゴリラは存在し、その姿は勇ましく凛々しく理知的に思える威風堂々たる貫禄です。
「母者って、本当に筋肉好きよね」
「一番は左之助さんです♪︎」
「ゴリラと比べちゃダメでしょうが」
そうは言いますけど。
左之助さんは力強くてカッコいいんですよ?