ソウタロスと腑破十臓の戦いに割り込んだナナシ連中を左之助さんが素早く斬り伏せ、私達に向かってきた彼らは個魔の方の結界によって倒されていく。
何故か腑破十臓も同じくナナシ連中を切り裂き、ソウタロスと決着を着けようとしていますが、その思いも行動も邪魔するようにナナシ連中は増える。
「母者、少しやばいかも」
「っ、分かりました」
個魔の方の言葉に頷いて、ショドウフォンを構える。この様な夜間に来てもらえるのかは不安ですが、私は『金』と『令』を宙に描き、モヂカラを重ねて『鈴』の文字を作り出す。
外道衆の存在を伝える呼び鈴。
『侍戦隊シンケンジャー』本編に登場する外道衆出現を報せる鈴の音を聞き付けた黒子の方達は逸早く駆けつけてくれ。すぐに鏡面世界を開く準備を始める。
「左之助さん、ソウタロス、此方に来てください!」
「お前と決着を付けるのは、オレじゃねえな」
「次に相見えるとき、お前を斬る」
「景、コイツら志葉んとこにいた奴らか?」
三者三様の言葉を発して、腑破十臓は人の姿に変わると消えてしまったものの、駆けつけてくれた志葉誠輔達は鏡面世界へと繋がる門を開門し、ナナシ連中を連れてこの場から姿を消す。
本当に大変な事ばかりです。
「そーちゃん?」
「悪いな。ひとえ、オレは行かないといけないんだ」
「や!いっしょにいるっていったもん!」
「頼む。必ず戻ってくるからよ」
ペチペチとひとえは地面に膝を突きながら自分を抱き締めるソウタロスの頭を叩いて怒って……いえ、悲しみをぶつけるように騒いでいるんですね。
「オレはソウタロスで、ハヤタロスだ」
「そーちゃんなの!」
「ひとえ、お前とオレは友達か?」
その言葉を呟くソウタロスを止めようとする私の手を握り、左之助さんが静かに頭を横に振る。しとりもひとえの事を抱き締めている。
「ぅ゛ん、とも゛だぢ!」
「────契約、完了だ」
そう言うと、ひとえは泣き疲れてしまったのか。ソウタロスに抱き付いたまま眠り、私と左之助さんは彼からひとえの事を受け取る。
「お前らの家族になれて、オレは楽しかった」
「はい。私も楽しかったです」
「ちゃんと帰って来いよ、ソウタロス」
「ハッ。良いのかよ?ソイツも契約だぜ、左之助」
ゆっくりと袖の中に仕舞っていたカードを取り出す。やっぱり色を取り戻しているカードにはソウタロスの姿が描かれている。
静かに私はカードを彼に差し出す。
「ソウタロス、待ってますからね」
「おう。しとり、ひとえの事を宜しくな」
「ん!まかせて、お姉ちゃんだから!」
「そんじゃあ、行ってくるぜ」
デンオウベルトを取り出して、腰に巻いたソウタロスはライダーパスに自分の描かれていたカードを差し込み、バックル脇の二つのボタンの一つを押し込んだ。
「んじゃま、変身っ!!」
ASSAULT FORM
黒い仮面ライダー。
稲妻を象った装甲に見覚えもあるけど。それを伝える前にソウタロスは空を駆け抜ける電車に乗って行ってしまった。大丈夫、ちゃんと帰ってきますから。