猛狒の身体を合体ロボットの胴体部に据えて、烏賊折神の身体を二つに分離して脚部に、虎と舵木は両腕に変形して合体したけれど。
やはり無理に変形している分、負担も大きく折神達にダメージを与えているように感じる。いえ、実際にダメージを与えているのでしょうね。
そうでなければ火花は散らない筈です。
「ふむ、脚部関連のパワーバランスが悪いね。烏賊折神のボディは武器になるものだろう」
「ゴリラのパワーを支える動物ですか」
「牛か犀だろうか」
「アルマジロとか欲しくなりますね」
「なぜだね?」
「いえ、なんでもないです」
ガオマッスルの事を想像してしまったけれど。確かにリスペクトしてオマージュする分には問題ないですね。ゴリラとサイは超重量級───パワータイプに於いて最強ロボットになるかも知れない。
「しかし、犀となると左之助君だね」
「どうして、左之助さんになるんですか?」
「彼は直情型の性格だ。根底に在るのは守る意志だが、野生動物に例えるのなら最強の犀になる」
ライノセラス。犀。確かに、どの特撮でも犀をモチーフにしている怪人やヒーロー、ロボットは強いですからね。犀といえば強い。
「糸色君、私も試したい実験があるのだが」
「ドクトルの実験ですか?」
「うむ。ガイアメモリという物を作りたい」
「……………」
その言葉に出口になっている鏡面世界の入り口を見た瞬間、チャフが池の水面を壊した。恐る恐る、後ろに振り返ると笑顔のドクトル・バタフライがいました。
「向こうの私は取り掛かっているらしくてね。此方でも使えるのかを試してみたかったんだ」
「何を言っているんですか?」
向こうの私?
その言い方だと貴方が何人も存在しているように感じるのですが、まさか本当にドクトル・バタフライは複数人存在しているんですか?
「痛っ、あ、ああ、最悪だもう…」
ズキッと頭に痛みが走る。
どうして、こう私の回りには変態さんばかりが集まってくるんでしょうね。別にドクトル・バタフライのことは嫌いではないですけど。
「そ、そもそもガイアメモリを作るには場所や施設も大事ですからね?私がそこに居るだけでは作ることは出来ませんよ?」
「むっ。そうかのかね?折角だから蝶怪人バタフライになってみたかったんだが…」
なんですか、その変な名前の怪人。
そう訝しげに彼の事を見上げる。
というより、そんなふざけたものになるために私を怖がらせていたんですか?と文句を言い、バシバシとドクトル・バタフライの背中を叩く。