某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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無差別格闘流 序

最近、下着泥棒の他に道場を覗く人影の目撃証言も増えてきて何だか変な方向に向かっているように思いながら、しとりとひとえと一緒に本を読む。

 

私のちょっとした言葉が無差別格闘流になってしまったのでしょうか?と少しだけ不安を抱く。もしも、また変に関わることになったらどうしよう。

 

いつも左之助さんに頼りっぱなしなのに、このままだと捨てられるんじゃないかとネガティブな事ばかり考えてしまう。そんな未来や結末は絶対にあり得ないと自分で分かっているというのに。

 

本当にどうしようもない女です。

 

「景ちゃんさん、助けて!」

 

「でぇへへへ、あ」

 

「あらぁ」

 

我が家のお庭に塀を飛び越えて入ってきた久保田さんを追いかけて、八宝斎が続くように入ってきたけれど。申し訳なさそうに顔を逸らした。

 

やっぱり、私が血を吐いているときに逃げてしまった事に負い目を感じているのでしょうか。でも、まだ子供の八宝斎が逃げてしまうのは仕方ない事です。

 

血を吐いて倒れている人がいたら、怖くなるのは人として当たり前の感情ですし。下着泥棒をしているから余計に怖くなってしまったのかも知れない。

 

「なに?知り合いなの?」

 

「えっと、たまに家に遊びに来る子供ですね」

 

「景ちゃんさん、私が言うのもあれだけど。町で噂になってる悪童を家に来ても入れないの!そんなんだからシャチョーも心配しているんだからね!」

 

「それは、すみません」

 

「いや、謝らなくても良いのよ。私や薫ちゃんさん、恵姐さんに迷惑を掛ける助平小僧に大事なお友達を傷付けて欲しくないだけなの」

 

そう言われてしまうと何も言えないです。

 

申し訳ない気持ちになりながら、久保田さんの頭を優しく撫でてあげていると、いつの間にか八宝斎は帰ってしまっていた。

 

「久保田さん、そういえば逃げていた理由を聞いていませんでしたよね。どうしたんですか?」

 

「……助平小僧が胸に飛び込んで来たのよ」

 

「それは、大変でしたね」

 

「うん。明日郎にバレたらうるさい」

 

惚気?と思いながらも下手に追求せずに私は悩ましげに溜め息をこぼす久保田さんを出来る限りの対応で励ます。多分、左之助さんに薫さんと仲良くしすぎていたら拗ねられたときのようなものですね。

 

「しとり達に会って帰りますか?」

 

「ううん。今日はシャチョーに頼まれてた金属器の真偽を確かめる仕事があるから。あ、でも久しぶりに景ちゃんさんのご飯が食べたいかな」

 

「フフ、みんなの分を作って待っていますね」

 

「やった!じゃあ、がんばってくるね!」

 

あんな風に言って貰えるのは嬉しいですね。

 

 

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