左之助さんと緋村剣心の喧嘩した河川敷に『無差別格闘流』と銘打った旗を掲げ、腕を組んで立つ八宝斎の話を聞き、随分と大胆な行動だと思う。
話題集めのためにもっと派手に戦うのかも知れませんが、そういうことをする度胸や覚悟は尊敬します。普通に考えれば東京府全土の武道場に喧嘩を売っているわけですし、薫さんも門下生の勢いに困っています。
いくら話題を集めるためとはいえ危険な行為です。
しかし、無差別格闘流を名乗るなんて随分と思い切りましたね。流石にこの明治時代に流派を立ち上げるのは、かなり危険です。
講道館の西郷。圓明流の天兵。他にも沢山の流派で明治時代を代表する強さを持つ人が東京府には何人もいる。神谷活心流の剣路君やしとりもそうです。
「あの助平小僧が武道ね」
「名前は、無差別格闘流だそうです」
「無差別。流派も性別も問わねえってことか?」
「さあ、どうでなんしょうね?左之助さんも緋村さんもいつも下着を盗んだら仕置きをしていますから、あまり強いとは思われていないですよ」
「問題は、そこだ。あの坊主に今挑んでやがるのはオレや剣心より弱い奴らだ」
ダメなんですか?と聞きたい気持ちを我慢して、左之助さんの話に耳を傾ける。
「なまじっか素早さで剣心に迫るアイツを捉えることは普通のヤツには出来ねえ。明日郎も
その言葉に納得すると同時に思う。
流石は無差別格闘流の開祖、作中最強の異名は伊達ではありませんね。しかし、陸奥以外の修羅達が東京府に来ているんですよね。
永倉新八から送られてきた写真には不破信二と、どこか見覚えのある一色に統一された作業着を身に付けた男の人達と、警官達が写っている。
刺青の囚人達(になる予定)です。ズラリと並んだ彼らの顔は腫れ上がり、牛山辰馬だけは満足げに左右に女性を抱き寄せています。
「信二のヤツも指南役受けたのか?」
「監視役と暴走阻止役になったらしいです。左之助さんはこの人達と会ったら喧嘩しそうなので会っちゃダメですよ?」
「強いなら喧嘩してえけどな」
「フフ、ダメです♪︎」
ゆっくりと隣に座っている左之助さんの下唇に人差し指を押し当てて、しっかりと悪いことだからと注意する。でも、ガブッと指を噛まれてしまいました。
「ダメなのはお前だっての。いつもいつも男に言い寄られて、腹ん中に悪いこと隠してねえか。このまま調べても良いんだぞ?」
「私は嘘は言ってないですよ?」
ウソはまだ苦手です。