某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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無差別格闘流 急

新参気鋭の武術流派「無差別格闘流」は純粋な格闘技と違い、催眠術や火薬術、武器を取り込んだ一人軍隊の様な状態になっていました。

 

スピードを活かした攪乱戦術、体躯を活かした動きも相俟って並大抵の相手では勝てない。ですが、自尊心の助長を危惧した緋村剣心が軽く倒し、適度に伸びた鼻をへし折っているようです。

 

「ヌハハハハ!」

 

「ん!ん!ん!」

 

「しとりに変なことさせるな!」

 

しとりは剣路君と一緒に竹刀を振るい、八宝斎の事を追い詰めるけれど。二人の竹刀はぶつかる紙一重の間合いで躱され、カサカサと桶の中を高速で移動していく八宝斎に翻弄されてしまっている。

 

喧嘩するのは良いんですが、町中なんですよね。

 

「ねーしゃま、かっくぃ…」

 

「そうですねえ」

 

「ひーもやる!」

 

「まだひとえはダメですよぉ?」

 

「むぅー!」

 

不満そうに頬っぺたを膨らませるひとえの事を抱っこしてあげ、「もう少し大きくなったらお姉ちゃんに教えてもらいましょうね?」と伝える。

 

その時は私の描き溜めた技絵を出す次第です。

 

「先生んとこはいつも大騒動だねえ」

 

「うっ、すみません……」

 

「ああ、いいんだよ。あの下着泥棒してた坊主を捕まえようとしてくれてるんだ。オレらにとっちゃ良いこと尽くめってやつなんだ」

 

いつもお団子を食べている甘味処の店主にそう言ってもらえた事に安堵しつつ、しとりと剣路君の二人掛かりでも追い付けない動きに、やっぱり彼は未来で名を馳せる八宝斎なのだと理解できます。

 

「しとり、地面を払って下さい」

 

「ん!」

 

私のアドバイスを聞いたしとりは嬉しそうに笑い、片手を地面について道端に散乱する桶を弾き上げ、その桶の一つの内側に張り付いている八宝斎が見える。

 

「うっらぁ!」

 

すかさず剣路君が切り上げるように竹刀を振り上げると同時に桶を破壊する。────が、しかし、すでにその桶の中に八宝斎は居らず、遠くの方でスタコラと逃げる彼の背中がある。

 

「けんちゃん、次は斬る」

 

「うん。絶対に斬る」

 

沸々と対抗心を燃やす二人を褒めるべきなのでしょうが、しとりと剣路君の二人を相手に無傷のまま逃げ切る彼の強さはやはり底が見えませんね。

 

本来の戦い方は火薬や花火を多用していたけれど。真面目に無差別格闘流を造り上げていた場合、ひょっとしたら八宝斎も陸奥か不破のどちらかに迫る事は出来ていたのかも知れませんね。

 

「ひとえが何を習うのか、楽しみです」

 

「んへへぇ……」

 

モチモチとした彼女の頬っぺたを触りながら、そう呟いていると金色の蝶が視界の端を擦り付けるのが見え、ドクトル・バタフライが来る事を知らせてくれる。

 

 

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