ドクトル・バタフライが司会を務める転生者の今後の人生や物語に関する会議の会場は初めて我が家ではなくドクトル・バタフライの経営する女学院の校長室で執り行われる事になりました。
ニュートンアップル女学院。原作の『武装錬金』だとヴィクター家の方々と出会う、津村さんが核鉄を手に入れ、武藤君に与えるなど重要な場所です。
「校長の肖像画はそれでいいのか?」
「ロマンを感じるだろう?」
「私は素敵だと思いますよ」
「マジで言ってるの?相楽カッケマッ」
ドレススーツは中々に素敵だと思うんですけど。やっぱり他の人からすると最先端すぎる着こなしになるのでしょうね。でも、どこがダメなのかしら?
そう私は不思議に思いながらドレススーツを纏って椅子に座っているドクトル・バタフライの肖像画を見上げる。みんな、蝶々のお髭がイヤなんですね。
「フッ、私の蝶・素敵な一張羅を真に理解してくれるのは糸色君だけさ。尤も突然の社交界や舞踏会に飛び込む経験の無い君達には難しいかな?」
「ムカつくわね」
「俺は闇に生きてるから無縁だな」
怒った顔を向けるススハムの隣に腰掛けている不破信二は抱っこ紐やバスケット型の揺りかごに赤ちゃんを四人も抱えています。
とっても子沢山です。
「……アンタ、また増えたの?」
「カミさんが猫だからな」
「うむ、私もお産には手慣れてきたぞ」
「ヴァカめ!」
「ちょっと聴こえないじゃないの」
まだ子供の安居院さんには早いです。こういうのは、もう少し大人になってから聴きましょうね。いくら転生者でも今の貴女は小さな子供ですから。
「信二の変態は置いておくとして、相楽カッケマッはまた無茶して吐血したって聴いたわ。あんまり無茶するならサンピタラカムイに神酒濃くさせるわよ」
「そ、それは……」
卑怯と言いたい。
しかし、無茶して身体を労っていなかったのは事実ですから私は彼女のお説教を受け入れ、今後はもっと安全を確かめるようにしていこう。
「安居院さんは変わったことありますか?」
「婚約者が出来たわ!」
「……まだ四歳ですよね」
「フフン。相手は年下よ!」
ああ、普通のおままごとですね。
私とススハムは彼女の言葉に、ほうっと安堵の吐息をこぼしながら不破信二から赤ちゃんを預かり、ゆっくりと身体を揺らして眠りやすいリズムを作る。
「そういえば信二君の子供は何人だったか」
「その言い方だとまだ入るように」
「居るぞ。言ったろ、子沢山だ」
……何人いるんですか、本当に。
「アイツの奥さんって猫溺泉に落ちてるじゃない」
「えと、つまり……じゅ、十人以上!?」
うそでしょう、谷垣一等卒と変わらないの?