「おっきくなったなあ!」
「ん!じいじ、お髭じょりじょり!」
「おう!男の髭は硬派だぜ!んで、そっちの母ちゃんに隠れてるめんこいのが噂の妹か」
「かーしゃま、じぃじ?」
いつもの彼女と違って恥ずかしそうに私の後ろに隠れているひとえの前に座り、目線を合わせてくれるお義父さんの優しさと心遣いに安心する。
やっぱり左之助さんのお父さんですね。
「んとね、はじめまちて?」
「おう。初めましてだ、左之助の子供にしちゃ二人とも可愛いすぎるぜ。こりゃどっちも母ちゃんに似て淑やかに育つぞ」
「まあ、嫁にはやらねえけどな」
「そりゃあ当たり前だぜ。嫁になんぞやるかよ」
「え?でも、右喜さんはお嫁に行って」
そう言いかけたところで私は口を押さえる。
恐る恐る、お義父さんを見ると物凄く不満そうに顔をしかめながら「俺ァべつにあんなヤツに右喜を嫁がせる気も、くれてやるつもりはなかったんだよ。だが、喧嘩で負けたからにゃ仕方ねえし。あの根性は認めてならんでもないが」と文句を言い始める。
「央太君は?」
「アイツか?アイツなら畑耕し……そういや耕して喧嘩して耕して喧嘩してばっかだな」
「それで良いのかよ、親父」
「央太も俺の息子だからな!」
「じいじのむすこ?」
「そうだぞ、しとりちゃんよ。お前の父ちゃんも俺の息子だ」
「ん?ん?」
「よくわかんなぃ…」
お義父さんの説明にしとりとひとえの姉妹は可愛らしく小首を傾げながら、左之助さんとお義父さんの事を何度も交互に見比べて、また小首を傾げている。
「二人とも、左之助さんは?」
「ん!父様」「とーしゃま」
「じゃあ、お義父さんは?」
「「じいじ」」
「はい。そうです。じゃあ、しとりとひとえのお父さんが左之助さんだから?」
「ん!じいじが父様の父様!」
「んへぇ?」
しとりは理解してくれたけれど。ひとえにはやっぱりまだ難しかったみたいですね。でも、ゆっくりと覚えていけば良いことですから一緒に覚えましょうね。
「しかし、景ちゃんは相変わらず
「……全然、背は伸びないんです」
本当に、なんででしょうか?
「景の背が伸びねえのはオレがずっと抱き締めながら寝るから圧迫してるのか?」
「惚気か!」
否定できる要素が少ないですね。
いえ、確かに掴まれて眠っていましたけど、今はしとりとひとえを挟んで眠っていますから違うはず?ひょっとして、あれの?あれかもしれない?
「……私が小柄なのは左之助さんの?」
プルプルと震えながら私の真横に座っている左之助さんを見上げると「いや、さっきのは冗談だろ?」と苦笑いを浮かべながら頭を撫でられてしまった。
そう、ですよね。
たまに足を握ったり肩の関節を強く掴んだりするときもあるけど。私が疲れているから、そういう風にビックリしてしまうだけですよね。