「ん!ん!ん!」
「あ゛あ゛ぁ゛……」
トントンと肩叩きを行うしとりにお義父さんはガラガラとした声で唸り、ひとえは央太君とジーーーッと見つめ合ったまま動かない。
何かシンパシーを感じているのかな?
フフ、かわいいですね。
「左之助さん、そろそろ離して貰えますか?」
私の事を抱き抱えて胡座の上に乗せて動けないように手を握っている左之助さんに、そう訴えるも「は?離すわけないだろ、なに言ってんだよ」と言い返され、渋々と私は仕方無く彼の腕の中に収まる。
まあ、好きな場所ですから嬉しいです。
「(しかし、ドクトルがガイアメモリの残骸を持って帰ってしまったのは止めるべきだったでしょうか。流石に壊れた物から作り直す事は無い……ですよね)」
しかし、ソウタロスや楯敷君という明確に『仮面ライダー』に登場する相手もいるわけですし。こうして帰省する間にも大変な事になっているかもしれない。
もしもギジメモリが完成した場合、私の『前世の記憶の保持』を媒介にした『
「……消えるのかな」
「は?」
「ひんっ?!」
ゴツンと頭の上に左之助さんの顎が当たり、鈍い音が小さく響く。ぎゅうぎゅうって、身体を締め付ける力も強くなってお膝を曲げて、だんだんと身体が縮こまる。
「景、また言ったな?」
「こ、今回は私ではなくドクトルです!」
お義父さん達もどうにかしてほしいと視線を向けるも顔を逸らされ、しとりとひとえも彼らに意識を集中するように促されてしまっています。
「あっ、しゅ、しゅみしぇん……」
「……ん。まあ、許してやる」
「左之助、お前なんか歪んできたな」
「何言ってんだよ、普通だろ?なあ」
そう問われてしまうと、コクコクと頷くことしか出来ません。でも、こういうのは悪くないと思えてしまうから悪いことではないはずなんです。
お義父さんも廃頽的な物を見るような、倒錯的な物を見るような、何だか私に憐れみや気の毒さを感じる目を向けてきているのは何故でしょうか?
「景ちゃん、なんかあったら俺に言えよ?」
「えと、はい?」
「親父に話す前にオレに言えよな?」
「は、はい?」
左之助さんとお義父さんの言葉に戸惑いつつ、頷くことだけにしてしまった。いえ、二人とも私の事を心配してくれているんですから、ビックリしたり怖がったりするのはいけないことです。
「私は大丈夫ですよ」
フンスと胸を張って力こぶを作る。