「じいじ、げんき?」
「ひとえちゃんは優しいなあ」
「でろでろに甘やかしてら」
「ん!しとりも構って!」
そう言って可愛らしく訴える孫姉妹ににっこりと緩んだ笑みを浮かべながらお義父さんに話しかけ、コロコロと鈴のように笑うしとりとひとえの二人を見る。
「(しとり、まだ電光丸を離してないんですよね。お義父さんと央太君以外の何かを警戒しているようにも感じるけど。何かいるのでしょうか)」
「ところで、コイツは竹光か?」
「んにゃ、ソイツは景の知り合いが作った護身用だ。原理は聞いても分からなかったが、ブッ叩けば相手は痺れる変な刀だ」
「変ですか?」
柄紐に至るまで女の子が使いやすいようにデティールを凝って作ったとドクトル・バタフライは自慢していたけど。やっぱりハバキ部分の蝶々の刻印が左之助さんは嫌いなのかしら?
いえ、それとも別の何かがダメなの?
そう首を傾げて考えながら左之助さんはドクトル・バタフライの作ったひみつ道具の一つで大変な目に遭っていたから危険に思っているのでしょうね。
まあ、その原因は不破信二の軽はずみや言葉によるものですが、私が関わっているのも事実です。あの後、甘んじてお仕置きは受けました。
「しかし、しとりとひとえも元気だな」
「若いですからねえ」
「お前も若いだろうに」
そう言って貰えるのは嬉しいけど。出会った凡そ十年弱だったんですから、それにしとりは九つか十になったら一度冒険に出ることになります。
険しいかも知れない。
苦しいかも知れない。
悲しいかも知れない。
恐ろしいかも知れない。
それでも彼女なら歩んで歩いて、どこまでだって高く高く飛んでいける。そう思えるほどに、しとりには沢山のものが見えているんです。
「ん!母様、わらってる!」
「フフ、しとり達のおかげですよぉ♪︎」
ドクトル・バタフライやススハム達は楯敷君の押し付けているという過負荷を取り除く手懸かりを一緒に探してくれていますし。
きっとどうにかなるはずです。
漠然的に希望を持つのは初めてだけど。きっと、どうにかしてくれるという期待を抱いて、彼らを信頼して待つことは出来ます。
「……あの、左之助さん?そろそろ離してもらわないと夕食の準備が出来ないんですけど」
「たまには外で済ませようぜ。親父達とものんびり話すならそっちのほうがいいだろ?」
それは、そうですけど。
なんだか変な策略みたいなものを感じるのは気のせいなのでしょうか?と首を傾げ、そう訪ねたい気持ちを抱いてしまう。