「門矢君、貴方はどの様な目的で此方に?」
「……ハッキリと言えば旅の途中だ。あそこでアンタの事を観察している胡散臭い優男の目的は糸色景の隠し持つ『世界を揺るがす兵器の設計図』だ」
「そんなものありませんが?」
思わず、そう彼に言い返してしまったものの。
本当に私は兵器を作ったり、恐ろしい設計図を作ったという記憶はありませんし、なにか作るときは他の転生者、特にそういうものに詳しいドクトル・バタフライやススハムに聞いています。
しかし、世界を揺るがす兵器ですか。
そういうものはありませんけど。
彼からひみつ道具の幾つかは私も受け取っていますし、ひょっとしたら未来の世界ではそれが注目を受けているのかもしれないですね。
「勝手に僕の目的をはなさないでくれたまえよ。が、僕のバイクを作ってくれた彼女のご先祖様だ。今回のお宝を貰い受けるのは止めておこう」
「じゃあ、私の絵は置いて行って下さいね」
そう彼に告げると全速力で逃げ出した瞬間、屋敷の周りに潜んでいた疾風流、迅雷流、伊賀崎流、御庭番衆の方々が一斉に飛び出していく。
「流石は、明治時代の名家だな。まさか現実で時代劇みたいなものが見れるとは思わなかった」
まだ時代劇の概要は出来てないので指摘することは出来ないですね。下手に指摘したら、左之助さんよりも深く深く私の事を理解しそうです。
「…門矢君は楯敷君の敵なんですか?」
「少なくともアイツはオレの敵だろうな。既に幾つかの世界で戦っていたが、アイツの強さは怪人の強さを引き出す。おまけに、アイツはディエンドライバーを……いや、アンタに言っても分からないか」
確かに知っているのは怪しい。
「よく分かりませんけど。これは必要ですか?」
そう言って私はカードを取り出して、門矢士にゆっくりと差し出す。ソウタロスとデンオウベルトと一緒に落ちていたライダーパスに挟まっていたものですが、なんとなく譲り受けたままでしたから。
「ライダーカード?いや、無地だな」
「ソウタロス……いえ、ハヤタロスが持っていた道具に挟まっていたものなんです。なんとなく、門矢君に渡すべきだと思いまして」
「成る程、大体分かった」
「え?」
「オレがこの世界にやって来た目的はこのカードとアンタに会うためだ。楯敷のヤツが狙う力もおそらく元を辿ればオレのモノなのかも知れない」
「えと、ありがとうございます?」
私は首を傾げながら二眼レフを構える門矢士の事を見送り、屋敷の外に向かって歩く彼の背中を追いかけ、攻撃を仕掛けようとする半透明の生き物に困惑する。
怪人だ。
この前のガイアメモリによる透明化ではなくカメレオンのような擬態能力を有する生き物の遺伝子を組み込んだ怪人が蹴り飛ばされ、屋敷の外に押し出される。