志々雄真実と剣心の戦いは苛烈さを極め、逆刃刀の兄弟刀・無限刃と鎬を削る度に発火し、剣心の身体を焼き斬り、逆刃刀の強打を受けきる肉体の頑丈さ───。
今まで戦ってきた奴らの誰よりも強い。
「シャアァッ!!」
「グッ、アァア゛ア゛ッ!!」
火薬を仕込んだ革手袋で剣心の首を掴み、振り上げ、叩きつけ、無限刃を革手袋に擦り付け、力任せに爆破した志々雄真実の手の中で剣心が呻き声を上げながら逆刃刀の柄頭を志々雄真実の脳天に叩き込み、胴に蹴りを入れて間合いを広げる。
荒々しく呼気を整える二人の死闘は凄まじいという言葉以外に例える言葉は見付からず、斎藤や蒼紫もまた真剣に二人の戦いを見守り佐渡島と姉ちゃんは志々雄真実の勝利を疑っておらず、ただ静かに確固たる意思で戦いを見つめている。
「ククッ、フハハハハッ…!二度も紅蓮腕を受けて尚も立ち上がるとは流石だな、抜刀斎。だが、この秘剣を躱せるかァ!!」
そう叫んだ志々雄真実は肩担ぎに無限刃を構え、未だに呼吸を整えきれていない剣心に向かって無限刃を担いだまま駆け出す。
「あれは壱の秘剣…!」
「否ッ!!由美よ、あの構えは志々雄様が二年間の暇に愛読していた書物より編み出したという、志々雄真実の三つ目の秘剣!あれこそが
「
捨て身の特攻とさえ思える自分の背中を晒す全身による回転を加えた飛天御剣流の「龍巻閃」にも見える動きで放たれた参の秘剣は空気を斬る最中に刀身どころか全身を発火させ、すれ違いざまに剣心の背中に大きな刀傷を刻み付ける。
「最強はこの俺だ」
強烈な炎熱を振り払い、志々雄真実は立つ。
「があ゛ア゛ァ゛ッ!!!?」
その衝撃を受けきれなかった剣心は前のめりに吹き飛び、地面を転がりながらも立ち上がり、逆刃刀を構え直して志々雄真実を睨み付ける。
「俺の回天剣舞同様、遠心力を加えた技か。……だが、今の技は断じて威颶離ではない。あの技は他者を思い遣り、誰かのために繋ぐ手からこそ使える法術だ」
「…ホウ。テメェも愛読者だったのか。確かに如何にもこの技は凶羅の『威颶離』を模して極めた秘剣!しかし、他者に頼らず、俺は俺自身で敵を穿つ!」
怒気を込めて話す蒼紫に志々雄真実はニヤリと包帯に包まれた顔を歪めて嗤い、無限刃の切っ先を剣心に突きつけ、また参の秘剣の構えを取る。
「拙者は負けるわけにはいかぬのだ…!」
「幾ら虚勢を張ろうと俺には勝てん」
再び、二人の戦いが始まる。