「そして、私達の世界線『C』はこの写真館を通ってさまざまな世界線を移動している。通算13回だ。一度目はユウスケの世界で」
「仮面ライダークウガの世界だ」
その言葉に私達の視線は扉の方に向き、門矢君と光夏海さん、海東大樹の三人に集まり、園田君と百合さんは小さな声で「マジのもやしよ、大勢さん!」や「やっぱり、本物の門矢士だ」と驚いています。
その反応を見て想像すると園田君は一度か二度門矢君と出会っているみたいですけど。ここで追求するとまた黒幕扱いか全てを見通している扱いを受けそうなので黙って静観しておきましょう。
「戻ってきたみたいだね、門矢君!」
「ああ、またアンタの話していた通りに進みそうになっていたが問題なく終わった。ただ、バダン帝国の怪人なんて居なかったぞ」
バダン帝国。
『仮面ライダーZX』に登場する悪の組織ですけど。糸色交さんはどうしてそのようなことを?いえ、おそらく向こうの私の影響でしょうね。
しかし、門矢君を見る目がドロリとしていたような?
「士、何か分かったか?」
「さあな。少なくともこの世界を基点にアイツが何かをしようとしているのは確かだ。殿様達の過去で何をするつもりなのかは知らないが、カメレオンの怪人は確実に糸色景を狙っていた」
「亀?れおん?」
「そういう生き物がいるんです」
そう左之助さんに話しながら可能性の話を繰り返していた糸色交さんは門矢君の見聞を聴き、ホワイトボードに『狙いは糸色景?』と書く。
若干、筆圧が強いような?
ふと何かを呟く声が聴こえてきた。
「私にあんなことした癖に本命は糸色景様だったって?ハハハ、許せないね。私が居るのに浮気するとはツカサ君は本当に最低な男だ。私が居るんだから手足なんて要らないだろうし、捕まえたら改造してやろうか?うん、そうしよう。うん、うん、うん、いっそのこと私の専属改造人間にしてやろうか」
「(ひ、ひぃんっ!この子、怖いよぉ…)」
「…交ちゃんは初恋拗らせているんです。高校生の頃に告白を受けて、TGクラブもそれで辞めたときはショックでしたよ」
「夏海、アレはべつに私の初恋ではないがねぇ!?あとクラブは兼任で基本的には科学部だったからね?!」
姦しく戯れる二人に少しだけ和みつつ、私の隣にいつの間にか移動していた百合さんの対処をどうしたものかと考える反面、園田君の持つ棒、それから何か呼ばれているような感覚も気になります。
彼も何かしら持っているのでしょうか?