某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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伝説の人斬り抜刀斎 急

参の秘剣「威颶離」と壱の秘剣「焔霊」の多段攻撃によって剣心の身体は火傷と刀傷を多く負い、辛うじて躱しているのがやっとというのが現状だ。

 

「シャアァッ!!」

 

「ヌウゥエェアッ!!」

 

しかし、その状況を打ち破るために剣心は飛天御剣流「九頭龍閃」を繰り出し、志々雄真実の身体に九つの斬撃を打ち込み、最後の一撃に柄頭による打撃を叩きつけ、志々雄真実を後ろに吹っ飛ばした。

 

「完全に決まっていたが、アレはまだ立つぞ」

 

「割り込む気か、斎藤」

 

蒼紫のどこか批難するような言葉を斎藤は鼻で嗤い、紙巻き煙草に火を点け、ゆっくりと煙草の煙を吐き、区切っていた言葉を続ける。

 

「今更、あそこに割り込んだところで無意味だ。アイツらはお互いを倒すことに意識を集中し過ぎて、もはや割り込める余裕など無い」

 

そう言うと斎藤は紙巻き煙草を踏み消し、懐に手を入れたかと思った瞬間、普通にダイナマイトを取り出しやがった。

 

「お前、まさか!?」

 

オレは思わず、斎藤の事を見つめる。

 

「阿呆が。コイツを使うのは最後だ。比叡山に作るにしてはデカすぎるアジトの入り口をコイツで吹き飛ばし、二度と使えなくするだけだ」

 

「それなら良いけどよ」

 

「雑談は此処までにしておけ。次で決まるぞ」

 

オレと斎藤の会話を中断させた蒼紫の言う通り、闘技場の真ん中で向かい合う剣心と志々雄真実は己の持ち得る最大最強の技を繰り出すために最適の構えを取り、静かに相手を見据えている。

 

「終の秘剣、火産霊神…!」

 

───次の瞬間、剣心の姿が掻き消えると同時に志々雄真実も無限刃を下段に向けて突き立て、飛天御剣流奥義「天翔龍閃」を防御しやがった。

 

瀬田の「縮地」を破った飛天御剣流の奥義を志々雄真実は何の情報もなく受け止め、剣心の一撃を往なしきった。……だが、受け流した筈の剣心の攻撃は、更に鋭く疾く続いている!!!

 

「おおぉおおぉおッ!!!」

 

剣心の渾身の気迫を込めた二撃目の「天翔龍閃」が志々雄真実の胴体にめり込み、凄まじい衝撃波を巻き起こしながら奴の身体を打ち上げた。

 

「……終わった、のか?」

 

「あの修羅とて飛天御剣流の奥義『天翔龍閃』に遠心力を加えた二撃目を受けたのだ。幾ら頑丈な人間だろうと、あの破壊力に耐えきることは出来ん」

 

オレの疑問に答えるように蒼紫は呟き、志々雄真実から離れた場所で倒れ伏す剣心に向かって歩き出そうとした瞬間、オレ達の歩みは強烈な剣気に遮られる。

 

「まだ、だッ……まだ終わっちゃいねえェ!」

 

ゆらりと幽鬼のごとく立ち上がる志々雄真実にオレ達の視線は釘付けになり、倒れたまま動けずにいる剣心に向かって歩み始める奴を止めに走った、そのときだった。

 

「グッ、ガアァアァァアァァッ!!?」

 

「志々雄様ッ!!」

 

「志々雄様ァ……!!!」

 

突如、藻掻き苦しみ始めた志々雄真実の身体が燃え上がり、奴の身体を焼き焦がしていく最中、姉ちゃんと佐渡島が燃える志々雄真実に抱きつき、三人共が苦しむ間もなく燃えて、逝っちまった。

 

…………これで、本当に終わったのか?

 

そうオレは思わずには要られなかった。剣心をここまで追い詰めた奴が、最後は自分の炎に焼かれて死ぬなんざ想像もしていなかった。

 

「…志々雄…お主達は……」

 

「剣心、今はもう良い。帰ろうぜ」

 

「………嗚呼、そうで…ござるな…」

 

ゆっくりと立ち上がった剣心に肩を貸し、ふらつきながらもオレ達は進んできた道を戻っていく。本当に、オレ達は志々雄真実に勝ったのか。

 

その疑問を深く残しながら……。

 

 

 

 

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