改造人間の襲来に驚き怯える私のために左之助さんが蜘蛛男を二重の極みで殴り倒してくれたものの、百合さんと園田君に「一応、それも味方…」と教えられ、私と左之助さんは気を失っている怪人を見下ろす。
「……役に立つのか、こいつ?」
「鍬なら投げてたし」
くわ?
桑の実を投げていたのかしら?と首を傾げながら、マスクを外して後ろのエンブレムを確かめる。ショッカーマークではなく、金色の蝶々の刻印を刻んでいる。
おそらく彼の事を改造したのはドクトル・バタフライなのでしょうが、まだ私達の世界に居るドクトル・バタフライのほうが良識を持っていたんですね。
しかも怪人素体に普通の男の人を選んでいる。
ただ、怪人を作ったにしては肉体の強さを高めているだけで洗脳手術や本格的な肉体改造はしていない。実験台に使っているわけではないし、どうして正式に肉体を改造しなかったのでしょうか?
「百合さん、顔が近いです」
「そうかしら?」
私に頬っぺたをくっ付ける百合さんを引き剥がしてもらい、名残惜しそうにする彼女を抱き上げ、蜘蛛男を向こう側に引きずって帰っていく園田君は大変そうだ。
もう人は来ないだろうと私達も光写真館の玄関に向かおうとしたその時、にこやかに満面の笑みを浮かべた交さんが冷蔵庫から顔を出していました。
「帰る前に、実験に付き合ってくれたまえよ!」
「……景に怪我させないヤツか?」
「安心安全の悪の兵器さ!」
「帰るぞ、景」
「は、はいっ」
左之助さんの後を追いかけようとする私を抱き締め、そのまま冷蔵庫の中に飛び込み、どこかで見たことのある研究施設が広がっていた。
「……色々とありますね」
「えぇ!作ったからね!!」
「自慢する前に謝れ、阿呆が」
「ふぎゃっ!?」
フンスと自慢する交さんの頭に軽く手刀を落とし、私をいきなり持ち上げた事や狭い場所に無理やり連れていったことを彼女は左之助さんに怒られる。
グローブ型……いえ、手の甲に重なるタイプの見た目に変更した簡易版ゼクトマイザーを手に取る。爆発しないようにボタンは押さず、元の場所に戻す。
よく見れば変身セット────いわゆる「成りきり道具」のように防具を一つずつ丁寧に配置し、丁寧に仕上げている。しかし、一度完成した道具を何度も作り直しているようにも見える。
やっぱり交さんは楯敷君のために発明品の開発に勤しんでいるように感じますし、変身アイテムよりサポートガジェットの方が比較的に多いです。
すごく気になるものばかりですね。