楯敷君こと仮面ライダーダークディケイドはライドブッカーを開き、刀身の中程から抜き身の刃を持つ剣に形切り替えて、交さんも刀身部分が物質化した光子剣を抜いて、二人の戦いを再開する。
「どうして、私を捨てた!」
「捨てたつもりはないさ。ただ、オレのやりたい事にお前は必要なかっただけだ!」
鏡写しのように剣を斬り結び、鍔迫り合いながら悲しみに吼える交さんの言葉に私達は静かに頷きつつ、こんなに可愛い私達の子供を捨てた理由を知りたい。
そもそも楯敷君の使うバックルも武器も変身した姿も全部其処にいる交さんが作ったモノだって聴いています。それなのに捨てるのは身勝手です。
「必要ないなら何であの時話し掛けたんだ!」
「ぐっ、ぬおっ?!」
鋭いパンチがダークディケイドの顔にめり込み、彼の身体が後ろに弾けるように転がりながらも直ぐにライドブッカーを開き、カードを取り出す。
「話を急かしすぎなんだよ、お前はッ!」
KAIJIN RIDE ARCH
アーク。
その言葉と共にダークディケイドは灰色の怪人に、オルフェノクに変身した。それに「カイジンライド」という言葉はチノナマコに奪われたとき、ディエンドライバーの発音していた言葉でもあります。
そう思考に呑まれそうになる私の肩を向こう側の私が掴み、ゆっくりと窓枠の影に隠れる。確かに、立っていたら流れ弾や攻撃の余波で、お腹にいる赤ちゃんに危険が及んでしまう。
「怖いかも知れないですが、構いませんね?」
「ッ、私の事ですから攻撃じゃないんですよね」
お互いの考えは良く分かります。茶色いショドウフォンを使い、向こう側の私の身体や周囲に『防』や『守』の文字を何十、何百と書き連ねる。
やっぱり私自身も彼女自身も戦う場所に適す性格ではない。それでも私達の子供は戦うことを選び、今も愛するために、分かり合うために戦っている。
「お前に出会わなければ私はッ!私は私のままで居られたんだ!こんなにも愛が恋が苦しいなんて知ることはなかったんだ!!」
ATTACK RIDE IXA KNUCKLE
カードをバックルにセットすると同時に出現したイクサナックルを右手で握り締め、アークオルフェノクの胸を殴り、殴り、殴り、殴り、殴り続ける。
しかし、アークオルフェノクの頑丈な身体を貫くには至らず、交さんは右腕を掴まれてしまった。
「気は済んだかよ」
「済むわけ無いだろう。お前のせいだ」
「へいへい。景達はどうする?今なら左之助や他の奴らに邪魔されずに傷付けずに、まとめてアンタ達を捕まえることが出来るんだが」
METAL!!
「悪いけど。ソイツは僕が許さないよ」
「チッ、どうやって来たんだよ!?」
「まあ、結構な
銀色のボディに赤い複眼の戦士が交さんを押さえ付けていたダークディケイドの腕を弾き上げ、乱舞するメタルシャフトの奏でる音が鮮烈に響く。
「どう?私の旦那はカッコいいでしょう!!」
気がつけば私達の後ろに腕組みをした百合さんが佇み、フンスと自信満々に笑っていた。