メタルのガイアメモリをドライバーに装填し、銀色の仮面ライダーに変身した園田君の振るうメタルシャフトを剣状態のライドブッカーで受ける楯敷君の攻防は荒々しく暴風を彷彿とさせる速さ。
「待って、ツカサは私が倒すから!」
「ダメだよ。君じゃ倒せない。一つ、君は戦士ではなく科学者だ。二つ、君も彼も互いを想い、愛している。三つ、そのせいで二人とも傷付いている。……それに、何かと首だしするのはお巡りさんの仕事だ」
「お巡りさんなら痴情の縺れに首突っ込むなっての!!そもそも明治時代にロストドライバーがあんのがモノすげえ気になるぞ!!」
「さあ、想像に任せるよ!」
ギィンッ、と鈍い音が響き、メタルシャフトとライドブッカーの衝突で火花が散る。門矢君も海東大樹もまだたどり着けていない。
いえ、向こうでも何かが起こっている?左之助さんやしとり、ひとえに何かあったらどうしよう。どうすれば元の世界に帰ることができる?
「ふうぅ……私達なら大丈夫です」
「そうですね、大丈夫ですよね」
「行け!そこよ!頑張って、大勢さん!!」
「「(百合さん、私達の近くに居るときより生き生きとしていますね。あ、今同じことを考えてる…)」」
私達は顔を見合わせて、なんとも言えない気持ちになりながらも自分の大好きな人の勇姿をあれだけ楽しく嬉しそうに見ることが出来るのは、少しだけ羨ましい。
いつも不安に思うことばかりですから。
「ツカサァ!!」
「交っ、お前もしつこいなぁ!!」
「私は誰かにお前を任せるつもりはない!こうなったのが私のせいなら全てを背負ってやる!そこのお巡りさんにも門矢君にも海東にも譲るものか!!」
「それ、僕を攻撃する理由になるかな?」
「女は欲深ければ良いと習った!」
チラリと視線が此方に向いた気もしますが、私と向こう側の私は何も悪いことはしていませんよ?と思いながら三人の戦いを応援することしか出来ない。
しかし、園田君はメタル以外にガイアメモリを持っていないのならどうやって攻撃を行うつもりなのでしょうか。秘策か何かあるのなら良いのですが……。
アークオルフェノクの跳躍力を活かし、空に跳び上がる楯敷君を追い、交さんも園田君も跳ぶ。───けれど。二人の跳躍ではアークオルフェノクには追い付けず、自分の羽を踏みつけ、更に高く空を跳ぶ。
「愛しているぜ、だからよ」
アークオルフェノクからダークディケイドに戻った楯敷君はカードをバックルに差し込み、ライダーカードに刻まれた力を読み込んだ。
FINAL ATTACK RIDE DE DE DE DECADE
「─────オレのために死んでくれ!!」
「私が死んだらツカサは喜ぶの?!」
「マジで痴話喧嘩もそこまでにしろっての!!」
METAL MSXIMUM DLIVE!!
自由落下する交さんを押し退けながらメタルメモリをシャフトの中心部に存在するスロットに装填し、必殺技を起動した園田君は棍を片手で回転させ始める。
「うおおぉおらああぁっ!!」
「メタルブレイカアァッ!!」
必殺の蹴りと必殺の棍が衝突し、次元が軋み、オーロラカーテンが出現と消滅を繰り返し、二人の身体を通過していき、凄まじい爆発音と共に園田君と楯敷君は地面に落下し、同時に変身が解除された。
「大勢さん!落ちたけど、死んでないわよね?!」
「つかっ……園田さん、大丈夫か。すまない」
交さんが駆け寄るも先にオーロラカーテンを使い、楯敷君は別の場所に行ってしまった。……私達に出来るのは、やっぱり見ていることだけ。