「ソウタロス?」
「おお、オレを拾った方の景だな!」
「拾ったのはひとえですねえ」
そう苦笑を浮かべながら光写真館の中に戻ってきた私達は軽度の傷を負った園田君と交さんの手当てを行いつつ、私達を助けてくれた事の感謝を伝える。
「まあ、僕は奥さんの頼みだからさ」
「夫の愛の重さって良いわよね」
「はい、同意見ですね」
「分かります。ドキドキします」
姦しく三人で話す私達に園田君は「やっぱり世界は違って左之助さんにもぞっこん愛なんだなあ」と苦笑いのまま納得している。
なにか悪いところがあったでしょうか?と思いながらも傷口を消毒し、ガーゼを貼って包帯を巻き付ける。ソウタロスは光栄次郎にコーヒーを貰っています。
ユウスケ君は大丈夫でしょうか。
別の世界に飛ばされていたようにも感じますし、門矢君達の到着が遅いのも気になります。
「景、オレの契約者も来てるんだが会うか?」
「いいえ、貴方の契約者と会うときはひとえも一緒のほうが喜ぶかも知れないので今回は会いません」
「そうか」
私の言葉に残念そうにするソウタロスに申し訳なく思いつつ、汚れた白衣を着たまま項垂れる交さんの隣に座り、優しく彼女の頭を抱き締めてあげる。
「……景様、危ない目に遇わせてすまないね。私自身も分かっているんだよ、ツカサは悪いことをしようとしている。それを止めないといけない。だけど、私は彼を失うことに恐怖を抱いているんだ」
「分かります。私も大好きな人が離れてしまったとき、とても怖くて不安でしたから……それでも相手を想い、愛する事は決して悪いことではありませんから」
そう言って彼女の頭を撫でてあげる。
「……ハハ、ハ、景様は小さくてこんなに細いのに私よりも強いんだな。うん、私も負けてはいられない。園田君!今すぐ私と稽古しよう!!」
「え?いや、マキシマムの余波で痛いんだけど」
「安心したまえ!そういうときは、コレさ!!」
バーン!というカンペを交さんの後ろで掲げた光栄次郎に困惑しつつ、彼女の手に持つ小瓶に私達は視線を向け、アレはなんだろう?と首を傾げる。
「名付けて、変身一発だ!!これさえ有れば沢山の効能は望めるだろう!!」
「「イヤな名前だ!?」」
彼女の宣言に百合さんと園田君は叫ぶ。
まあ、変身一発と言えば『劇場版仮面ライダー555』に登場するアイテムであり、謂わば死のベルトを無理やり使えるように体組織を変化させる飲み物です。
材料不明のお薬は流石に怖すぎます。
そうっと身重のほうの私と百合さんを貧弱な身体でも出来るだけ守るように席を移り、一緒に部屋の隅に移動し、変身一発を飲まされそうになっている園田君を静かに見守る。