園田君と百合さん達に身重の方の私の絶対安全をお願いして、私は行きたくないのにソウタロスに連れていかれる形でユウスケ君を探しに来ています。
「どうして、私まで…」
「まあ、景を帰すためだな。デンライナーを使えば行けるからオレの契約者を追いかけてんだよ」
そう言われると何も言えず、ソウタロスの近くを歩きながら二十年ぶりに見る現代の風景を少しだけ楽しんでいたその時、赤い複眼と赤い装甲を持った仮面ライダーが壁を突き破って地面を転がる。
「クソッ、どんだけ強いんだよアンタ!」
「一応、俺はアイツのおやっさんなんでな」
ゆっくりと壊れた壁の中から現れたのは光写真館にやって来た壮年の男性だった。生身の人間がユウスケ君に、仮面ライダークウガに勝っている?
あり得ないとは言えないけど。
まさか改造人間のひとり?
そう考え込んでいる私をいきなり抱き上げ、真後ろに飛び退いたソウタロスは唸り声を上げ、ジロリと壮年の男性を睨み付けている。
「なんだ?糸色景を連れてきてくれたのか」
「お前のためじゃねえ!アイツは何処だ!!」
「あいつ?嗚呼、電王なら怪人と戦っているさ。それよりそんなに警戒されたら流石に俺も傷付くからな?巓や命は物怖じしなかったんだがなあ」
てんや?みこと?
一体、誰の事を言っているのでしょう。
「景さん連れて逃げろ!ハヤタロス!」
「馬鹿野郎、ソイツは並みの怪人じゃねえ!」
ソウタロスのその言葉に笑みを浮かべていた彼の顔向きは真剣なものに変わり、緩やかにアロハシャツのボタンを外していき、異様な筋肉を押さえつけるタンクトップとジーンズだけの格好になる。
「俺の名前は立花ゲンジロウだ。そして───」
力強く地面を踏み締め、両の拳を右側の顔に近づけ、ミシミシと鈍く異様な音を立てて握り締める姿に、ヒュッ…と私は乾いて冷たい息を吸い込んでしまった。
「変身ッ!!」
機械的なバックルの中心に
「俺は暗黒結社ゴルゴムの三神官を喰らい、三人の持つ命の石を得て世紀王に並ぶ最強の怪魔怪人であり、ノバショッカー大幹部の『デスガロン』だ」
デスガロン。
公式チートライダーとも称される『仮面ライダーBLACK RX』をギリギリまで追い詰めた最強格の怪人。まさか、そのベースと成った人間の人格を残した彼と、楯敷君は一緒に行動を共にしている?